前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。
・情報検索(2)
前回の項目で、データ+インターネット+検索エンジンの登場で「情報検索」が可能になったことを書きました。では、その成功要因というのは何でしょうか。
我々が情報検索を行う場合、当然のごとく間違った情報/嘘の情報を嫌います。このような間違った情報/嘘の情報をいまのデータ+インターネット+検索エンジンは、排除しやすくなっています。例えば、インターネットには数多くのデータが接続されているわけですから、似たような複数のデータを比較して確認することができるので、間違った情報/嘘の情報は皆が見なくなって淘汰されて無くなっていきます。また、インターネットは誰もが情報発信したり交流できる訳ですから、との情報が間違っていたり嘘であるかは、ユーザー同士の会話や評価で共通認識されていきます。
つまり、多くの情報を皆が閲覧出来て、それに対する評価を共有できるしくみ、データ+インターネットによって、我々は正しい情報を選択することが出来るようになったのです。これをさらにレベルを上げたのが検索エンジンといえます。
インターネットの世界には多くのデータがつながっていますし、更にデジタル社会の進展や社会環境の急激な変化により、常に新しい出来事、新しい製品、新しい技術、新しい事件などが生まれています。そうなると、自分が必要とするデータがどこにあるかを自力で探すというのは、事実上困難です。それを可能にしたのが検索エンジンです。特に、Googleは優秀でした。それまでは、ぴったりとマッチする文字列を入力しないと目的のデータを検索することができなかったのが、Googleの登場によって、違う文字列でも意味が同じであればヒットしたり、文字列が間違っていても検索エンジンが正解と思われる情報を提示するようになりました。このことは、ユーザーが容易に目的の情報にたどり着くチャンスを大幅に改善し、色々な人に「情報検索」を消費することを可能にしました。
このように、データ+インターネット+検索エンジンで人々をそれに夢中にさせましたが、最近はますます情報検索が拡大して便利になっています。まず、翻訳エンジンが優秀で無償で提供されるようになったため、外国のホームページやデータも検索結果として表示されるようになりましたし、表示そのものも翻訳されたものを閲覧することが出来るようになっています。世界中の多くの言語が自国語で見ることが出来るようになったわけです。
また、更には、音声認識技術の発展により、スマートフォンやマイクに話しかけるだけで、検索結果をスマートフォンやスピーカーが答えてくれるようになりました。常に、物知りの人がそばにいて、答えを教えてくれるといった状況です。
このように、多くの技術が組み合わされて、「情報検索」という新しい消費が生まれたと言えます。
次回に続きます。