インターネットで変わった消費世界②

前回に続き、インターネットビジネスのしくみとその成功要因を、我々にとって身近な一般消費世界の変化について書いていきます。

さて、消費世界の変化ということですが、消費するもの自体がかわったもの、そして、これまでの世界と消費するものは変わっていないけれどもその環境がかわったもの、の2つに大きく分けることができます。そこで、まず最初に、消費するもの自体が変わったものから考えていきます。

・情報検索(1)

インターネットが誕生する前の情報検索と言えば、書籍、新聞、テレビ、ラジオなどが殆んどでした。このうち、書籍については、書店や図書館で目的の情報を探すという意味では、本来の意味の情報検索に近いと言えます。しかし、新聞、テレビ、ラジオというのは、どちらかと言えばプッシュ型の情報であり、ユーザーが選べるのはせいぜい新聞社や局であり、あとは流れてくる情報のなかから有益なものが無いか探すということで、本来の意味の情報検索とは少し異なります。つまり、従来は、情報検索は非常に限られていたことになります。
これは、膨大な情報を貯蓄して、かつ誰ても見ることが出来る媒体が書類しかなかったことによります。テレビやラジオは、リアルタイムに流れる情報をキャッチするしかなく、オンデマンドで検索するということが出来ませんでした。私たちは、情報検索という意味では、かなり限定された世界に住んでいました。
ところが、データ+インターネット+検索エンジンの登場により、世界はがらりと変わりました。まず、電子的に保管されているデータは、インターネットに接続されていれば何処からでも取り出すことが可能です。インターネットは速度が向上し、世界中のデータを瞬時に取り出すことが可能になります。そして、Googleなどの検索エンジンの登場により、自分が欲しいデータがどこにあるのかが簡単に分かるようになりました。この組み合わせにより、私たちは、検索して情報を消費するという新しい世界に住むことが出来るようになったのです。
自分が欲しい情報を得られるということは、生活を大きく変えることになります。出来なかった事が出来るようになる、分からなかったことが分かるようになる、知らなかったことを発見することになる。これによって、生活の幅が広がったり、生活が便利になったり、趣味が増えたり、自分に合った仕事を見つけられるようになったり、生活が向上するようになりました。いまや、休日の過ごし方も含めて、情報検索が生活のスタートになっている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。動いてから探す、ではなくて、探してから動く、といったところでしょうか。
このように、「情報検索」というものを消費するというのは、従来にはなかったものであり、大きく変わった代表選手だと思います。

次回に続きます。