前回の記事の続きとして、若手社員からは華やかに見えがちな企画部門の仕事について、実態を探っていきます。項目ごとに考察・コメントしていきます。
・トップを男にする
「トップを男にする。」これは、随分前に流行った言葉です。難しいこと、大変なことをやらねばならない時に、その動機をどこにもっていくかということです。専門職種部門であれば、好きな分野の仕事をしたいとか、どこでも通用するキャリアを積みたいとか、将来独立して稼ぎたいなど、会社や人に依存しない動機を持つことが可能です。
ところが、企画部門はそういう訳にもいきません。専門性はあまりつきませんし、やることはトップの意思を実現することです。トップの言っていることが正しいかどうかというのは、経営を一定期間行ってからでないと証明はされません。そのようななか、企画部門のメンバーは、どのようにして厳しい仕事に日々立ち向かっていけば良いのでしょうか。
この答えのひとつが、もしかしたら冒頭の言葉「トップを男にする」ということなのかもしれません。トップの思いを実現することがミッションであるのならば、トップを信じて、それが会社のためになると信じて、やっていくというのがある意味一番です。それが実現するとトップは評価されます。このような動機を持って働ける人は、企画部門でやっていきやすいと思います。
・サポート役に徹する
企画部門は、トップの意思を現場にやってもらう仕事も大切なミッションであることを先に述べました。ここで、トップの意思を持って現場に指示してやらせる、という考えでは間違いなく失敗します。現場にとって、トップは従うべき者ですが、企画部門はそうではありません。伝言者という考えです。そういう現場に対して、指示するやり方をすれば、それは「虎の威を借る狐」にしか映らないでしょう。現場からは無視されるに違いありません。
ですから、現場と接する時は、トップの意思を丁寧に伝える、現場の悩みを良く聞く、困りごとを助ける、といったサポート役に徹すると、仕事が上手く回ることが多々あります。サポート役に徹して皆を助ける、主役ではないけれどもそうやって会社として結果が出れば、それは最終的に企画部門の成果にもなるのです。成果は、随分先にでます。
以上、シリーズ記事として、企画部門はどんなところ?と題して色々と検討してみました。トップのスタッフとしてビジネスを成功に導くお手伝いをする企画部門のイメージを、掴めていただけたでしょうか。仕事の大変なところを多く書いてしまいましたが、会社全体を動かすことができるやりがいの多い仕事でもあります。チャンスがあれば、是非前向きにとらえてトライしてみましょう。