企画部門はどんなところ?⑥

前回の記事の続きとして、若手社員からは華やかに見えがちな企画部門の仕事について、実態を探っていきます。項目ごとに考察・コメントしていきます。

・トップの特徴

企画部門は、トップの近くで仕事をする部署と言うことは既に申し上げました。そうなると、トップの特徴を知っておく必要があります。もちろん、色々なトップがいらっしゃいますのでひとくくりには出来ませんが、よく言われるものを幾つか挙げておきます。
〇やりたいことが多い:経営をしているトップは、全てのことに目を行き届かせる必要があります。会社が大きくなればなるほど、その範囲は多くなります。ですから、気になること、考えること、そして、やりたいことが沢山でてきます。昨日はあのことを言っていたかと思うと、今日はこっちのことを言っているといった具合です。ですから、企画部門は、トップの考えの移り変わりについていって対応できる能力が必要です。
〇早くやりたい:経営というのは、何事も早くやればやるほど効果があります。少しでも遅ければ損失が大きくなります。ですので、トップは何でも早くやりたがります。現場の担当者は、仕事を時間をかけて準備万端でやりたいものですが、トップは効果が期待できるレベルになれば不完全であってもその仕事を進めたいものです。ですから、企画部門はそれに合わせた仕事ができることが求められます。
〇理想が高い:トップは、常にどうしたら最も良い経営が出来るかを考えています。つまり、ベストを求めるわけです。特に最近は、その業界で勝者は1社か2社、という厳しいビジネス環境も多いようなので、仕方がないことかもしれません。そうなると、ついつい高い理想を追い求めてしまいます。ところが、トップの理想と現場のレベルは得てして距離があります。交じり合うことはほぼ無いといっても過言ではないでしょう。この間に立って、そのベストを探すのが企画部門とも言えます。バランス力や調整力という能力も、大切になってきます。
〇目が肥えている:トップともなれば、社内外のトップとの交流が多くなります。そうなると当然、考え方、感じ方、持ち物、食べ物、洋服など、一流のものに触れることが多くなります。また、他のトップと交流するのですから、それなりのレベル以上でないとやっていくのも難しくなります。ですから、当然、色々なものに目が肥えています。よって、企画部門でやっていくには、そういった知識も持ち合わせていることがとても有利になります。また、そういう知識が必要になる場面も多々あります。
このように、トップの近くで仕事をする以上、トップの特徴に合わせて仕事をせねばなりません。トップがこちらに合わせてくれることはほぼありません。企画部門で仕事をするのであれば、それを肝に銘じて任にあたる必要があります。

次回に続きます。