前回の記事の続きとして、若手社員からは華やかに見えがちな企画部門の仕事について、実態を探っていきます。項目ごとに考察・コメントしていきます。
・トップの方針を具体的な形にする
トップの方針というのは、得てして具体的なものではありません。この分野の新製品を開発したい、この地域の売上を伸ばしたい、このサービスの種類を増やしたい、といった少し抽象的なものになります。しかし、これだけでは、各社員は具体的に何をすれば良いのか的を得ません。ですから、何をどうしていくかを会社、あるいは事業部全体として決めていく必要があります。
例えば、新製品を開発したい、としましょう。新製品を開発するには、新製品の企画、新技術の開発、顧客の開拓と説明、製品設計、部材調達、製品製造、営業・販売など、多岐にわたります。もちろん、お金や工数もかかります。また、それぞれの部門が勝手にやるのではなく、開発目標、業務分担、スケジュール、などの調整をして初めて実現します。これらを、それぞれの部署が既存の仕事をしながらやっていくわけですから、そうそう簡単にいくものでもありません。
つまり、トップの方針を具体的に実現するというのは、例えば会社が大きくなればなるほど、難しくなります。部署間の調整を行って、会社や事業部全体がその方向に仕向ける必要があります。これを行うのか、企画部門の重要なミッションの一つでもあります。企画部門は、通常の専門職種部門で責任を負わされている数値が無く、また他の部署との利害関係が少ないためです。
企画部門は、各部署のヒアリングを行って、新製品を開発するために必要な工数を確保します。また、経理部門と相談して必要な資金を各部署の提供します。そして、それぞれの部署がうまく噛み合って新製品が開発されるように、新製品開発プロセスとスケジュールを策定します。
このように、新製品開発プロセスとスケジュールを策定すれば、あとは、それが日々行われているかの進捗チェックをおこなります。そして、進捗が遅れているところをフォローして、スケジュール通りの新製品開発を目指すのです。
・現場からは嫌われる?
これまで述べたように、企画部門は、周りから見ると得てして、トップに近い、数値に追いかけられない、現場に新しく仕事をさせる、といった部門に見られ勝ちです。なんだか、通常の部署からは嫌われそうな部門ですね。実際のところはどうかと言うと、そういうことも多いかと思います。特に、新しい仕事のスケジュールとノルマだけを言われると、やっぱりそうなってしまいます。ですから、企画部門に居る人は、各部署の意見を良く聞いて、全ては無理でも聞けるリクエストは聞いてあげるようにするべきです。そうすると、現場からは慕われるようになり、仕事が進めやすくなります。ある意味、人気商売かもしれません。
次回に続きます。