企画部門はどんなところ?③

前回の記事の続きとして、若手社員からは華やかに見えがちな企画部門の仕事について、実態を探っていきます。項目ごとに考察・コメントしていきます。

・トップの方針を社員に理解してもらう

トップの方針を具体的に進めることは、企画部門の重要な仕事の一つです。では、いったいどのような業務があるのでしょうか?
まずあるのは、トップの方針を会社や事業部に理解してもらうことです。トップのしたいことを、各専門職種部門に理解してもらって、それに対応してもらわないとなりません。それには、各専門職種部門の責任者ではなく、社員全員の理解が必要です。というのも、方針は経営トップが決めるものですが、それを実行するのは日々前線で奮闘している社員だからです。いや、場合によっては派遣社員かもしれません。
それをするには、トップの方針を分かりやすく説明する必要があります。その手法は2つあると思います。1つは、トップ自らが各専門職種部門の責任者や社員に説明する事、そして、企画部門がそれを別で補完することです。
前者については、トップが、責任者会議や社員への説明会で説明することになりますから、企画部門の仕事としては、その説明資料を作ることになります。従って、説明資料を作成することが最終目的になります。そのために、通常はトップの思いを聞いてそれを説明資料を作ることが中心となります。もちろん、資料の中心はそれになりますが、実はそれだけでは説得力は十分ではありません。トップの方針が新しくなる/変わるということは、多くはこれまでやっていたことを止めるか変更して、新しい仕事をすることになります。そのためには、現場で今何が行われていてそれが今後どう変わっていくのか、今やっている仕事で間違っていて修正するものと、合っているので伸ばすものは何なのかを明確にして、それを含めた現場目線での説明をするとより理解がしやすくなります。つまり、ただ、トップの思いを理解してもらうだけではなく、それを現場目線にすれば何を行えば良いのかということを説明することで、皆が方針を具体的に進めやすくなるわけです。
後者については、トップが方針を各専門職種部門の責任者や社員に説明するといっても、せいぜい1時間程度でしょうし、また、責任者や社員のそれぞれが疑問に思ったことをその場で質問する時間はありません。そうなると、社員それぞれが「結局、良く分からなかったよな」と思うことになりかねません。そうなると、トップの思いが実現する可能性が低くなったり、速度が遅くなります。そこで、トップの説明が終わった後に、個別の部署やキーマンの疑問を解消することが重要になりますが、これが企画部門の大切な仕事の一つです。各専門職種部門の責任者キーマンと会話し、場合のよっては現場の人とも会話しながら、何か齟齬は無いのか、それを解消するにはどうしたら良いのか、どのように解決するのかを見つけ出し対策を打ちましょう。もちろん、場合によっては、トップにフィードバックして対応をしてもらわないとならない場合もあるでしょう。組織をよく分かっているトップであれば、きっちりと対応するでしょう。

次回に続きます。