企画部門はどんなところ?②

前回の記事の続きとして、若手社員からは華やかに見えがちな企画部門の仕事について、実態を探っていきます。項目ごとに考察・コメントしていきます。

・トップのしたいことを実現に導く

企画部門の最も重要なミッションの一つは、トップのしたいことを実現に導くことでしょう。社長や事業部長は、経験と実力が評価され、会社や事業の経営にあたり、収益を上げ続けていくことが求められます。それは、会社の資産を使って自分が思い描くビジネスが出来るチャンスであるとともに、責任を求められます。一定以上の成果を上げることが出来なければ、職を辞することも普通です。そのため、トップは自分がしたいことを決めて、それを実現する必要があります。
しかしながら、いくらトップとはいえ、自分がしたいことを決めること、そしてそれを実現することは、一人では出来ませんし、簡単なことでもありません。自分がしたいことを決めるには、環境や市場や自社の実力を正しく把握して経営判断を行うことが必要です。また、それを実現するには、自社や事業部の社員の強力を得ないとできません。つまり、多くの部署と多くの社員を動かさないとならないわけです。トップ自身も色々な業務や行事をこなしていかないとならないわけですから、時間が足りません。そこで、企画部門を自分の直下に設置し、自分の思いを実現しようとします。
つまり、企画部門は、社長や事業部長の分身、手足、あるいは影となって、その思いを一緒に実現していきます。そういう意味から言うと、企画部門に身を置くものは、それぞれ勝手に自分がしたいことを企画して実現できるというものではありません。会社というのは、そんな簡単なものではありません。会社の資産を活用するには、大変な責任が伴いますし、会社を動かすには権限や戦術など多くのものが必要になってきます。若手社員が企画部門に入って、自分の思い通りに会社を動かせるわけではないのです、これは、良く知っておく必要があります。
つまり、社長や事業部長の思いを理解して共感し、それを実現するために色々とサポートしていく、そういう部門が企画部門です。

・オリジナリティはどこにある?

トップのしたいことを実現するのであれば、企画部門の社員は何のオリジナリティも出すことは出来ないのでしょうか。あるいは、トップに言われたことだけをやっていれば良いのでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。
トップがやりたいことをイメージできたとしても、細かいことまでは決めきれません。やりたいと思っていたことが。少し間違っており、それを補正すことが必要な場合もあります。また、やろうとしたことを、専門職種部門に指示する時には、業務プロセスや分担やルールを決めないと現場は動かないでしょう。このように、基本的なことはトップが決めたとしても、それをどのように具体化していくか、そういうところにオリジナリティが必要になります。逆に、トップというのは細かいことまでは出来ませんので、企画部門の社員がいかにオリジナリティを出して実現するかか重要になってきます。企画部門の社員のレベルが低いと、トップの思いは実現されません。
つまり、トップは基本方針を決め、企画部門は、それを実現するために様々なオリジナリティをもって業務にあたることが重要になるのです。

次回に続きます。