前回に引き続き、今後ますます増えていくと思われる高齢単身世帯について、社会に起こる問題とそれに対する対応などを考えていきます。
・電器製品
電器製品も、若者向けやファミリー向けから高齢単身世帯向けのマーケットが広がる可能性が高いです。電器製品と言えば、高機能、高速処理、大量処理、便利機能などで、家事の手間を省いたり、生活をよりよくしてく為の製品が中心でした。
ところが、高齢単身世帯が増えてくると、電器製品の用途は違ったものになってきます。時間は比較的沢山あるので、高速処理は必要がありません。また、難しい機能が沢山あったとしてもなかなか使いこなせるわけでもありません。それらの機能よりも、身体が動きにくくなった自分が出来ないことをサポートしてくれる電器製品や、必要最小限の操作が分かりやすい電器製品が好まれていくのだと思います。住宅もそれほど広いものではないでしょうから、なるべくコンパクトなものが望まれる可能性も高いです。このように、電器製品もこれまでと違った新しい分野のものが、登場するかもしれません。
・パッケージ
ここでいうパッケージとは、食品や日用品などが売られる際の最小単位を言います。食品で言えば、お弁当、惣菜、飲料、お菓子などが一つのパッケージで売られている量です。日用品で言えば、洗剤やシャンプーなどでしょうか。
高齢単身世帯になると、色々な消費材の使用量が減ってきます。若いころより食事量や活動量が減ってくるのに加え、単身世帯なので一緒に食品や日用品を消費する人が居ないので、当然と言えば当然です。そんな状態で、必要以上の物を買ってしまうと、家計に大きな負担になるばかりか、余ったものはゴミとして処分せねばなりません。ゴミの処分は、高齢者にとっても面倒なことですし、処分する市町村にとっても負担が増えます。また、不必要に大きいパッケージは、高齢単身世帯から敬遠されるので、売る側にとってもこれからはニーズが減ってくると思われます。
こららの理由から、高齢単身世帯が多くなってくると、パッケージというのは必然的に小さくなってくるものと想定されます。
・弁当・惣菜や外食が増える
高齢単身世帯になってくると、家計の面から自炊することも多いでしょうが、火を使う料理は大変ですし危険でもありますから徐々に減ってくると考えられます。そうなると、弁当や資材を買って帰ることが多くなるでしょう。これらは、現時点でもそうなっていると思いますが、今後も増えてくると思います。また、高齢単身世帯では楽しみも少ないと想定されますので、色々な弁当や総菜のニーズが高まると思います。
一方、外食もしたいところですが、現在の外食店は、若い人・現役世代・ファミリー向けが多いと思います。ところが、年齢構成比が変わって高齢者が増えてきますので、メニュー、店構えなど高齢者向けの外食店も今後は出てくるかもしれません。
次回に続きます。