前回に引き続き、今後ますます増えていくと思われる高齢単身世帯について、社会に起こる問題とそれに対する対応などを考えていきます。
・コミニュティの形成と参画
高齢単身世帯が増えてくると、一人暮らしに加えて、身体的な面からも外出が少なくなってくると思われるので、他人とのコミニュケーションが少なくなってきます。他人とのコミニュケーションが少ないということは、脳の働きも衰えるでしょうし、互いに助け合ったり気遣ったりすることも無くなってきますので、社会で生きていくことが更に難しくなってきます。高齢単身世帯が、なんらかのコミニュティに参加し続けることが、本人にとっても社会にとっても有益になってくると思われます。
オフラインでの様々なコミニュティの準備も必要でしょうし、身体的な面で外出が難しくなってきた場合は、オンラインのコミュニティも有効でしょう。特に、今は現役でこれから高齢になっていく世代は、オンラインでのコミュニケーションが比較的得意です。また、VR技術も進歩してきていますから、家に居ながらもまるでリアルなコミュニティに参加しているような体験もできていくでしょう。オンラインの高齢者向けコミュニティツールというのは未だ不十分のように思いますが、オンラインゲームなどの技術を使えば、素晴らしいものができていくことを期待します。
・住宅の変化
高齢単身世帯が増えると、住宅も変化していくことでしょう。高齢単身世帯では、あまり広い部屋や大きな家具などは必要ありません。比較的シンプルな構造であって、病院や買い物に便利で介護が受けやすいというのが条件になってくると思います。提供される住宅とそれに関するサービス、例えば、簡単な賄いやサポートが受けられるなど、このあたりは費用負担がどれくらいになるかどれくらい払えるかに依ってくると思いますが、今とは違う形式の住宅とサービスが出現するかもしれません。
・交通機関
高齢者が利用する交通機関も、将来は変化していく可能性があります。現在、駅から近いところには現役世代が多く住んでおり、高齢世帯は、駅から少し離れたところに住んでいるケースが多く、そうなると一般的にはバスが多く使われているように見受けます。電車と違ってバスは経路や停留所を変更することが比較的に容易ですから、市民の実態に応じて対応が出来ます。また、車両の変更も比較的容易で、現在ではノンステップバスなど、高齢者の方が乗り降りしやすいもののよく見かけます。更にタクシーは便利ですが、価格が高いために頻繁に利用するのは難しい実態です。
ところで、いまは自動車も自動運転技術が発展してきており、将来的にはバスやタクシーに類する自動運転コミューターが更に便利で安価に提供される可能性も高くなってきました。自動運転技術は産業的にも伸びしろのあるところであり、高齢者向け庫打つ手段として期待したいところです。
次回に続きます。