高齢単身世帯(一人暮らし)社会を考える①/5

今の日本では、単身世帯(一人暮らし)が増えてきているそうで、これからも更に増えていくと予想されています。以前の戦後まもなくの日本では、祖父母、父母、子供といった3世帯家族が普通に見られました。日本全体がそんなに裕福でもなく、家族で寄り添って生活することが安全でした。また、情報量が少なかったため、一人で家を出て暮らすということもあまりありませんでした。

しかし、日本全体が裕福になり、個人への情報量が増えるとともに個人の自由が尊重される時代になってからは、学校を卒業してから一人暮らしをするということも増えてきました。また、結婚してからも、本人たちの自由を優先して両親と一緒に暮らさずに独立するという選択が多くとられるようになりました。その結果、核家族という言葉が流行りました。主に、両親と子供で家族を構成するという意味で使われていました。

その後、また社会が変わっていきます。核家族の親たちも、子供たちが成長し、また配偶者に先立たれると一人になってしまいます。また、子供たちも、無理して結婚しない、あるいは相手が無理して結婚しようとしないということで、単身のまま居る人も増えてきました。また、結婚しても離婚してしまい、そのままの方も増えているようです。このようにして、核家族の後には、単身世帯が増えていったようです。この傾向は、しばらくは続くと予想されています。

つまり、今後の高齢の単身世帯が増えていくことが予想されるわけで、社会もそれに応じた問題が起こり、それを解決していくことが必要です。ですから、高齢の単身世帯に向けたしくみやシステムが出来上がっていくことでしょう。また、それに対応したビジネスも生まれてくるかもしれません。そこで、今回の記事では、高齢単身世帯について考えていきます。

・寿命が延びる

医療技術が進化しているので寿命も延びていきます。今後もその可能性が高いでしょう。そうなると、高齢単身世帯も勿論ですが、超高齢単身世帯も増えていくと思います。超高齢単身世帯になると、高齢単身世帯よりもケアすべきことが増えてきます。つまり、いかに超高齢単身世帯者を効率的にサポートするかが社会として大きなテーマになってくるでしょう。これまでも高齢者へのサポートは社会でも問題になっていますが、今後もその難易度が増えることを覚悟する必要があるかかと思います。

・プライバシーや気楽さの担保度合い

高齢単身者は、止むを得ずそうなってしまった方もいらっしゃいますが、元々プライバシーを尊重して気楽に生活されたいと思っていた方も多く居らっしゃると思います。若いうちはそれでも構わないかもしれませんが、高齢になって周りのサポートが必要になってくると、そういう訳にもいかない場合がでてきます。それぞれの高齢単身世帯が独立して生活しているとサポートする側も個別に訪問する必要があり、人手が足りなくなってくることもあるでしょう。ですから、高齢単身者のプライバシーとサポートの効率化をどのように折り合いをつけていくのか、これは本人もサポートする側も両方の問題になってきます。

次回に続きます。