前回の記事で、仕事に関係する色々な人の働く動機が大切であることを説明しました。今回は、具体的な例で考えていきます。なお、多くの人は、働く理由は生活のためと答えるかもしれません。ところが、生活といっても色々な場合がありますので、深掘りした項目で考えます。
・借金がある
単に生活のために働いているのではなく、借金のために働いている方もいらっしゃいます。自分がだらしなく、賭博や趣味などで借金しているという人は、社会人として成立していないのでここでは対象としません。ご家族やご親族の方がご病気でお金が多く必要とか、親が事業で失敗して借金をしたなどの、ご本人の責に帰さない場合を言います。
この場合、今の会社でそれなりの給料が得られるのであれば、今の会社で真面目に働くことが想定されます。きっちりとコツコツ働いて、何とか借金を返そうと思うからです。特に、一時的に会社が困った時に助ける(給料の前借り)などといったことがあると、忠実に会社に従って働くことが予想されます。
一方、今の会社で思ったような給料が得られない場合はどうでしょうか。おそらく、本人としては、職を変えてもっとお金が得られるところを目指すか、あるいは、今の仕事を続けたまま、アルバイトなどの副業に手を出すことを考えるでしょう。そうなってくると、今の仕事に身を入れて打ち込むということはあまり無くなってくると思います。もし、本人が優秀であって会社としてもその人材をキープしたいのであれば、残業手当が出せる、休日深夜業手当てが出せる、などの収入が増やせる仕事を提供するしかありません。もちろん、過分な増収は難しいと思いますが、本人の働く動機が明確であるため、会社で出来ることと本人が望むことをテーブルの上に乗せて、その会社でやっていけるかどうかを明確に決めることができます。
・家族の扶養
家族を扶養するというのも仕事をする上の大きな動機の一つです。大切な家族の為に働こうというのが多くのサラリーマン/会社員のモチベーションになっていると思います。特に、子供が小さかったり、進学でお金が多く必要な場合などは、頑張って働こうという気になるものです。中でも、子供が進学に向けて受験勉強を頑張っていると、親も一緒に頑張ろうという気になりやすいです。このような場合は、安定して仕事に向かって行けるように思います。
一方、家族の扶養のために頑張っていた方でも、子供たちが独り立ちして、あとは夫婦だけの生活という時が来ると、少し気が抜けてしまうことがあるようです。自分をおさえて家族のために頑張っていたのが、働く目的の大きな一つを失ってしまうのですから、それも仕方ないかもしれません。このような場合に、大きな仕事、難しい仕事、大きな人事異動などがあると、急に緊張の糸が切れて辞めてしまいたくなる場合もあります。ですから、お子様が卒業したとか、結婚したとか、そういう社員が居た場合は、仕事のモチベーションに注意して接するようにしましょう。
次回に続きます。