働く動機と対応①/6

人には、働く動機が色々とあります。人によっても違いますし、一人の人間であっても働く動機は一つではなく複数あることが多いのではないでしょうか。そして、その動機は、自分ではっきり自覚できているものと、自覚できてないけれども潜在的に意識しているものがあります。また、働く動機というのは、置かれた環境や世代によっても変化していきます。ですから、他人の働く動機というものを理解するのは、なかなか難しいものです。

ところが、サラリーマン/社会人にとって、同僚や部下や上司、そして取引先の方の働く動機を理解しておくことは、とても重要です。というのは、サラリーマンや社会人は、一人で仕事をすることはあまりなく、多くの人と一緒に仕事をすることが殆んどだからです。自分がやらなければならない仕事、やりたい仕事をするには周りの協力が不可欠ですが、周りに協力を得ようと思っても、周りの人の働く動機によっては、協力が得られないことが有ります。例えば、出世を動機に働いている人には、下働き的、あるいは縁の下の力持ち的仕事は引き受けてくれないでしょう。

また、あなたが組織責任者であれば、部下のパフォーマンスを最大限発揮して、組織のパフォーマンスを最大化する必要があります。しかし、部下の働く動機にマッチしない仕事を渡したところで、その部下はたいして本気で仕事をすることはないでしょう。逆に、動機にマッチしない仕事ばかりを強要されると辞めていくかもしれません。

別の例として、あなたの上司の働く動機も知っておくほうが良いです。上司というのは、仕事を与える役割だけではなく、自分が仕事で困った時に助けてくれたり、あるいは仕事をリードしてくれる存在です。しかしながら、働く動機によっては、助けてくれたりリードしてくれることが少なくなる場合があります。例えば、上司が、もう高齢になっていて定年退職まであと僅かであり、平和に会社人生を終わらせたいと思っているとしましょう。そうなると、あまり社内でトラブルになるような案件には加わってこないことが想定されます。また、現在の延長線上の改善は協力してくれるでしょうけれども、大胆な業務改革などはあまり進んではやってくれないでしょう。

取引先の窓口やキーマンも、同様に働く動機を知っておく必要があります。取引先の方がとにかくお金のために仕事をいているとしましょう。そうなると、自分の会社や自分が短期的にでも損になる取引は、長期的にメリットがあったとしてもやらないかもしれません。

このように、人が働く動機はさまざまであり、その結果、仕事内容も大きく変わります。ですから、関係する色々な人の働く動機を知っておき、それに応じた対応が必要です。

次回に続きます。