前回に引き続き、お正月(年末年始)が、これまで日本人にとって大切に守られてきた理由を考えていきます。
・一から新たに始める気分転換
年末に色々なことに区切りをつけ、一から新たに年を始めるというのは大きな気分転換になります。例えば、昨年に、思ったことが出来なかったり、色々と不幸なことが起こったりというようなことが有ったとしても、新しい年が始まるとそのようなことがリセットされ、真新しく生活を始められるような気がします。あたかも、ゲームがうまく出来なかったときに、リセットして一から始めるような気分です。今年は、どのような良い年にしていこうかと、期待感が膨らむ時期です。このように気分転換が出来るというのは、日本のお正月ならではのものです。
人間は、色々な意味で気分転換が必要です。同じことを長年続けていると、例え上手く行っていたとしても飽きてしまいますし、上手く行っていないにしてもダラダラと同じことをやり続けてしまいます。お正月は、そういったことを見直す良い機会になります。
・少し違う長期休暇
日本のカレンダーでは、長期休暇は、ゴールデンウィーク、お盆休み、そして、お正月休みになります。日本では、学校も会社も4月から始まって3月に終わる年度のところが多いですから、お正月休みは年度の最終長期休暇になります。ゴールデンウィークやお盆休みと異なって、年度も終わる間近であることからラストスパート前の小休憩という位置づけにもなりますし、冬真っ盛りで寒いですから、自宅や故郷でゆっくりと過ごすことも多いのではと思います。他の長期休暇とは異なって、比較的ゆっくりと過ごせるお正月の長期休暇は人々にとって心地よい区切りになっているのだと思います。
・初詣
お正月には、多くの方が初詣に出かけることと思います。神社でお願いごとをし、おみくじを引きます。絵馬を書かれることは多いでしょう。これも、大きな意味があると思います。普段から忙しくしていると、本当に大事なことや叶えたい夢というのが脇に置かれがちです。現実逃避とまでは言いませんが、少しさぼってしまうこともあります。ですから、初詣によって、改めて、自分がやり遂げたいことや叶えたいことを明確にし、それをきっちりとお願い事として心の中で言葉にしたり、絵馬に書いたりすることは、意味があります。また、特にそういうことが無いにしても、改めて初詣に行くと健康や家族の幸せなどをお願いしますが、普段気づいていないけれども本当に大切なことに気づいて感謝することも出来ると思います。初詣は、人によっては少し面倒かもしれませんが、なるべく出かけるようにしましょう。
次回に続きます。