取引先を動かすために⑥

前回に引き続き、自社(私たち)に有利なビジネス上の取引を行うために必要なことを項目ごとに順次検討していきます。

・こちらの交渉会談の主役は?

取引先のキーマンや意思決定者も分かり、交渉のストーリーも決まれば、実際に交渉会談になります。では、交渉会談を行う場合の主役は互いに誰にすればよいのでしょうか。相手から交渉を持ちかけられた場合はさておき、こちらから交渉を行いたい場合、取引先の交渉相手は、これまで述べたように意思決定者、またはキーマンと交渉することになるでしょう。自社(私たち)が取引先を動かしたい訳ですから、取引先を動かせる人を呼ぶ必要があるわけです。
こうやって相手の交渉主役が決まると、その人を説得するにふさわしい自社(私たち)の交渉主役を用意することになります。こちら側の交渉主役は、ずばり取引先をもっとも説得させやすい人物になります。一番良いのは、取引先の交渉主役と親交があり、役職もほぼ同等か少し上の人物となります。取引先の交渉主役から、「あの人に言われたら、断れないよ。。。」というのを狙うわけです。
しかしながら、そう上手く適当な人が居るとは限りません。その場合は、取引先の交渉主役が会いたいと思っている人物、得たい情報を持っている人物、説得やお願いや強い要請など場面に応じて適当な人物を選択することになります。

・交渉会談の同席者は?

さて、交渉のストーリーが決まり、取引先も自社(私たち)も交渉の主役が決まれば、同席者を決める必要があります。では、どんな人が出席すれば良いのでしょうか。
これは、交渉の内容が厳しいものなのかそうでないのかによっても随分変わります。まず、交渉内容が厳しい場合は、なるべく、同席者は少ない方が良いのが一般的です。というもの、交渉内容が厳しいということは、お互い攻めるところもあれば引くところもあります。その場に出席者が沢山居るということは、交渉の主役はその人たちも意識して喋らないといけません。そうなると、立場もあるし責任もありますから、弱いところを見せたりすることは出来にくくなります。そうなると、折れるところも折れなくなってしまうので、接点を見いだせなくなってしまう可能性が高くなります。ですから、厳しい交渉の場合は同席者が少ない方が賢明です。
一方、厳しい交渉ではなく、割と丸く収まる見込みであれば、同席者はある程度多い方が良いことが多いです。というのも、交渉内容というのは、決まった後に実行する必要があります。そうなると、交渉会談に出席している人が少ないと、決まったことを知らない人が出てきたり、その場の雰囲気が分からないので実行の具体的進め方に人によって差が出るかもしれません。ですから、関連者がある程度出席してその場の内容を正しく理解するとともに、場合によってはその場で具体的なことを決めた方が良いわけです。
このように、交渉会談の同席者も状況によって設定するようにしましょう。

次回に続きます。

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