店舗の無人化は流行るのか?②

前回に引き続き、店舗の無人化について考えます。

・人件費やコストは下がるのか?

ところで、店舗のレジを無人化できれば、人件費は下がって店側のコストは下がるのでしょうか。これは、良く考える必要があります。コンビニはスーパーでは、必ずしも店員はレジだけの仕事をしている訳ではありません。商品の欠品を補充する人、店内を整理したり清掃する人、調理をしたり小荷物を扱う人など、様々な人手が必要です。大規模なスーパーのレジ係であっても、お客様が少ない時は店舗の内外で色々な仕事を行っています。つまり、店舗のレジだけを無人化しても人件費がたちどころに大きく減ることは無いでしょう。ですから、人件費を減らすのであれば、レジ以外の仕事も含めてどのように人員を配置するかを検討売る必要があると言えます。
なお、コンビニやスーパーでは、万引き被害が多く、場合によっては経営に影響することもあると聞きます。ですから、万引きを防止する警備員を雇っているところもあります。これを考えると、精算の自動化が行われて、かつセキュリティが強くなれば、警備員を減らすことも期待できますし、万引きそのものが無くなることも可能になります。こちらの面での人件費や経営ロスは減るかもしれません。

・ネット店舗との住み分けは?

ところで、無人店舗を検討する上で比較すべきものとして、ネット店舗+宅配があります。ネット店舗であれば、もともと店舗側も消費者も出かけたり対応する必要もなく、精算・決裁も自動で行われることが基本です。人件費やコストが下がるし、こちらで済むものであればとても便利です。ネット店舗と比べて実際店舗のメリットというのは、行けばすぐに商品を自分のものにすることが出来る、商品を間近に見て確認することができる、などでしょうか。
前者については、最近は物流の最終シーンである個別宅配部分の人手不足が問題になっていますので、今後は宅配の頻度が下がる可能性もあります。そういった意味では、食材や身の回りの品物など、コンビニやスーパーで買った方が良い場合も多いでしょう。ここでは、無人店舗が伸びる可能性が高そうです。
後者について、商品を間地かに見て確認するものは、洋服や電化製品や趣味の物などが代表例でしょう。このようなものは、ネット店舗で買うよりは実物を見て買いたいので、実店舗になるでしょう。だた、実店舗においては、商品を試したり店員と会話をしながら購入を決めることが多いと思いますので、無人店舗になるのは少し難しいと思います。
このような観点から、自分が欲しいものが明らかで入手に多少の時間がかかっても良いものはネット店舗、実際に商品を見たり中身をよく吟味して買いたいものは有人店舗、そして、自分が欲しいものが明らかで時間がかからずに欲しいものは無人店舗、というのが住み分けかもしれません。

・まとめ

以上、2回にわたって、店舗の無人化について考えました。私の予想では、まだまだ適用できる範囲が限られているように思いますが、こういった形態はある時急に普及したりするので、注意深く観察したいと思います。

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