引き続き、ネットワーク社会のプライバシーについて、考えていきます。
前回までの記事と同様、具体的にプライバシー情報がネットワーク上に流れる例を考えていきます。具体例を順次、項目別に記載していきます。
・掲示板
多くの人が書き込めるネット上の掲示板。真実/フェイク情報など、多種多様な情報に溢れ、何が本当で何が嘘かというのは、簡単には判断できません。そこで得た情報を、他の情報で検証しながら真実に近づいていく作業をしていけば、まだあまり知られていない事実に近づくことができる可能性もあります。
ところで、掲示板は匿名で書けるものが多いので、ついつい、ある事ないこと、思いついたこと、を書いてしまうことがあります。掲示板はそういう記事で溢れています。しかしながら、ひどいこと、誰かを傷つけること、誰かを攻撃することなどを書いてしまうと、逆に攻撃を受けたり身元を暴こうとされたりする場合があります。匿名の掲示板とはいえ、ネット技術に詳しい人にかかれば、あっさりと判明する場合もあります。そうなると、自分の多くのプライバシーが公開される恐れもあります。
ですから、匿名の掲示板とはいえ、いざとなれば身元は分かるものであるということを認識し、節度ある行動をしましょう。
・アンケート
ネットで行うアンケートというのは、それを答えることによって、何らかの景品などが当たるとうたうものが沢山あります。そうなると、色々な質問に答えるとともに、住所や氏名などの個人情報を記載することにもなります。これは、プライバシー情報と個人情報を合わせて提供するようなものです。ですから、答える先が信頼できるサイトであることを十分に確認してから、回答するようにしましょう。
・ゲーム
ネットで行うゲームには様々なものがあります。様々なジャンルがありますし、提供しているところも多くのサイトがあります。ゲームをすること自体だけでは、あまりプライバシーが漏れる心配をすることも無いかと思いますが、ゲームによっては、メールアドレス、電話番号、そして課金を行うためのクレジットカード情報を要求される場合があります。これらを知られることによってプライバシー情報の流出につながる場合もありますから、信頼できるサイトのゲーム以外では個人の情報などの入力は避けた方が賢明でしょう。
・電子マネー
電子マネーとは、交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、などのことをいいます。これらは現金を使わないので、とても便利です。しかしながら、ここには、プライバシーにつながる情報が含まれている可能性があります。
どこで、いつ、何を買ったかということが全て記録されます。さらに、交通系電子マネーだと、どの経路で、いつ、どこに行ったかというのも記録されます。もちろん、これらの情報は通常に直ちに公開されることはありませんが、何かの事故で漏れたり、あるいは自分自身が電子マネーを落とし、取得した人に漏れるなどの不測の事態も想定されます。
電子マネーはセキュリティが通常よりかなり高くなっていると思いますので事故が起こることは少ないと思いますが、そういった情報が蓄積されていることは認識しておきましょう。
次回に続きます。