引き続き、ネットワーク社会のプライバシーについて、考えていきます。
前回までの記事と同様、具体的にプライバシー情報がネットワーク上に流れる例を考えていきます。具体例を順次、項目別に記載していきます。
・写真/動画(アップロード)
写真や動画、これは、本人が映っている場合はさておき、他の人、家族や友人はもちろん、知らない他人であっても注意が必要です。というのも、その場にその人が居たということ、あるいは誰かと言うことは、その人のプライバシーである可能性があります。ですから、写真や動画をアップするということは、その人達のプライバシーを侵害しないように、あなた自身が最新の注意をする必要があるわけです。
最近のデジタル技術は進んできており、写真を複数並べれば、どれが同一人物かを仕分けることが出来ます。これは、身近なスマートフォンでも実装されている機能であるほど身近になりました。そうなると、あなたがアップした写真や動画に映っている人を、第3者が仕分けて他の情報とリンクさせることも出来てしまいます。また、デジタル写真や動画には位置情報を記録する機能がありますから、それで更にプライバシー情報が流出する可能性があります。
このように、写真や動画をネットワークで扱う場合は、自分だけではなく関係する人にも影響があることによく注意しましょう。
・地図/天気予報アプリ
地図や天気予報に関するアプリを利用する場合、アプリで自分の位置情報を送ることによって、地図や天気予報の情報を便利に使用することができます。つまり、今自分が居る場所を、直ちに地図に表示したり、そこの天気が分かったりするわけです。
ですが、これは、自分の位置情報をアプリ側に渡していることになります。その情報を送り続けていれば、自分が一定期間に、いつ、どこに行っていたかが分かってしまう訳です。ですから、自分が行った場所をプライバシーとして知られたくないのであれば、情報送信を止める設定をしなければなりません。便利であることと、個人の情報を守るというのは、ある意味では反比例することがあります。
・乗換案内アプリ
乗換案内アプリも、ある意味、地図/天気予報アプリと同様です。自分の位置と目的地の情報をアプリに伝えることによって案内がされるわけですから、その情報が送られていることになります。そして、場合によっては、どの経路を使ったかということも分かります。これは、あなたの行く先によってはプライバシー情報になります。
位置情報と言っても、なかなか軽んじるべきものでもありません。毎日行っているところと言えば、自宅や会社/学校であることは容易に想像がつきますし、寄り道したところもわかります。もちろん、その位置情報は時間とともに記録されることになりますから、更にプライバシー情報に近くなっていきます。位置情報だけではなく、関連の情報も考えての送信設定の判断をしましょう。
次回に続きます。