ネットワーク社会のプライバシー④

引き続き、ネットワーク社会のプライバシーについて、考えていきます。
前回の記事から、具体的にプライバシー情報がネットワーク上に流れる例を考えていきます。具体例を順次、項目別に記載していきます。

・コミニュケーションアプリ

コミニュケーションアプリとは、いわゆるLINEなどのようなツールです(以下の内容は、必ずしもLINEのことではなく一般的なものです)。有名なツールですとセキュリティも強化されており、情報が漏洩する可能性も低いかとは思います。セキュリティ事故などが起きると会社の存続にかかわる致命傷を負いかねませんので、そこの安心は比較的高いかもしれません。
ただ、使用する場合の注意は必要です。このようなコミニュケーションアプリは、友人とのコミニュケーションを便利にするために、例えば、スマートフォンの個人の連絡先をツール側にアップロードして、自動的にコミニュケーションアプリ内で友人と連絡をとれるように設定する機能があります。もちろん、強制的にそうなることはありませんが、アプリをインストール際に設定することになります。その時に許可することにより個人が持っている情報がアップロードされます。
そうなると、例えば同じ設定をしていた人と互いに連絡先が共通であれば、自動的に連絡がとれるようになります。これは、連絡を取りたい人とは便利ですが、連絡を取りたくない人とも連絡が取れるようになってしまいます。これは意と反することでしょう。
自分がコミニュケーションアプリを使っていることは、場合によってはプライバシーです。よって、コミニュケーションアプリの設定においては、自分が守りたいプライバシーに問題が無いかを良く考えて各種設定を行う方が良いでしょう。

・3大情報発信SNS

いわゆる、Twitter、Facebook,instagramのことです。多くの有名人が、これらのSNSで情報を発信しています。また、これらを使う個人ユーザーが非常に多く、このSNS上での広告効果がとても高いため、企業の多くもSNSでアカウントを持って情報を発信しています。2018年、楽天が現役スペイン代表MFのイニエスタに33億円払ってサッカーJ1神戸に呼び寄せました。この時、三木谷会長は、「彼のSNSは世界に7400万人のフォロワーが居る」と発言しました。このことだけで、その威力が計り知れます。
これらのSNSは、主に個人が情報を発信するためです。ですから、個人が見たこと、個人に起こったこと、個人が行ったとこ、個人の考え、などが多く含まれています。ですから、SNSを匿名で登録したり連絡先などを公開しないとしても、何かの情報をキーに個人が特定されることもあります。匿名で発信している情報はプライバシーではないにしても、個人が特定されればプライバシーになることもあります。このようなリスクも理解して、情報発信するようにしましょう。

次回に続きます。