事業部別組織と職能別組織(製品別/地域別組織と機能別組織)⑥

前回に引き続き、事業部別組織と職能別組織のメリットとデメリットを検討していきます。項目は、順不同です。

・効率

組織を効率的運営に運営するというテーマの場合、事業部別組織と職能別組織のどちらが向いているでしょうか。
まず、組織を効率的に運営するには、似たような業務に多くの人が従事している場合に色々な仕掛けを作りやすくなります。同じような作業を一人にまとめたり、システム化したりするなどの手を打つことができます。そう考えると、事業部別組織よりも職能別組織の方が有利です。
事業部別組織では、各職能は事業に必要な分しか準備されていません。そもそもが少ないわけです。一方、職能別組織は、その職能の人がたくさん集められているわけですから、同じ仕事をしている人が組織に沢山います。ですから、先に書いた効率化のための打ち手が沢山あります。

・経営資源の最適配分

人・物・金。この大切な経営資源を最適配分できるのは、事業部別組織と職能別組織のどちらでしょうか。いまや、規模と効率が、経営の大きな成果になる時代になってきましたので、この項目も考えておくことが必要です。
経営資源を最適配分するということは、そのバランスを考えることが出来る、考えたうえで実行することが必要です。これについては、短期的な配分と長期的な配分で異なってくると思われます。それぞれについて考えてみます。
短期的な経営資源の配分で必要なことは、足元の経営成果を上げるために素早く効率的に配分することです。そうなると、事業部別組織の方が有利でしょう。事業部長がお客様の要望に応えるために、配下のリソースを一存で買えれば良いわけです。
一方、長期的な経営資源の配分となると、そうもいきません。短期的な事業経営とは離れた視点で、高い目標に向かうことが求められます。そうなると、職能別組織の方が有利でしょう。各職能が、短期的な成果と並んで、長期的なことを考えて経営資源を再配分することが可能です。

・組織の大きさ

組織というのは、小さい方が有利です。大きい組織はコストもかかりますし、動かしたり管理したりすることも大変です。ですから、なるべく小さくした方が良いのですが、事業部別組織と職能別組織のどちらの方が小さく出来るでしょうか。
これは、事業部別組織の方が小さく出来る可能性があるのではないでしょうか。短期的な経営成果を求めるには、コストを必要最小限にすることが重要です。よって、それを求められている事業部別組織の方が組織を小さくすることには有利に働きます。一方、職能別組織では、職能がそれぞれのパフォーマンスを最大限にするように動く傾向があるので、組織は大きくなる傾向にあります。

次回に続きます。

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