・企業の大きさ
企業の大きさは、事業形態や方針や時代によって変わります。市場が小さい、極端に専門性が高い、工芸製品であって作り手が限られる、経営者が自分で全てをやりたい、世界や各国で相互の関係が良くない、などであれば、企業はそれほど大きくならないでしょう。
一方、多くの人がその製品/サービスを求めるために市場が大きい、大量生産が可能である、経営者が規模を求める、グローバルでビジネスのチャンスがある、ライバルが規模を大きくしようとしている、などでは、企業は大きくなっていきます。
このように、企業の大きさには、様々な要因があります。従って、一概には言えませんが、最近の企業は大きくなる方向に動いています。それは、世界情勢が比較的安定的であること、世界で何が売られてどのようなサービスがあるかをインターネットですぐに知れること、そして、それらを輸入している業者があったり個人輸入が容易なことが挙げられます。
・大企業が流行
そのような環境であれば、必然的に同じ製品/サービスを大量に世界中に供給した方が利益が大きくなりますので、そのような意思がある企業は自分たちを大きくしていこうとします。逆に、ライバル会社が大きくなると、そこに食われてしまう可能性もあるので、自己防衛のために追従を余儀なくされることもあります。
日本国内だけを見ても、駅前の商店街や街の電器屋さんなどが衰退し、大規模チェーンのスーパーや家電量販電が市場を握っていることから明らかです。規模の大きさが利益を生む時代です。
・大企業には組織が多い
ところで、企業が大きくなると、その組織構成が問題になってきます。数人~数十人の企業ですと、誰もが互いのことを知っており、常にコミニュケーションがされるために方針や状況を共有することができます。問題が起こっても、さっと集まって解決して、その後、またそれぞれが実務に戻っていくことも可能です。
しかしながら、大企業になると、そうもいきません。社長と会話することは一生無いどころか、見たこともないということが起こります。会社のどこで何がおこっているかを社内では知ることができず、雑誌や新聞で初めて知る、ということも起こってきます。それほどの大きい企業であれば、どのように組織を構成するかでパフォーマンスが大きく変わります。
・組織構成が企業の浮沈に影響する
企業が大きいということは、組織がたくさんあるということです。組織が沢山あれば、当然のように組織間がどうやって協調していくか、どのように効率化していくか、どのようにフレキシブルに変化していくか、良い意味でどのように競争していくか、そして、最後は企業の目標をどのように達成していくかが重要です。
大きい組織を抱えて人が沢山いるということは、経営資源を持っているとともに大量のコストが毎日かかっていることになります。これを効率的に使えば飛躍的に利益が向上しますし、逆に全員が停滞している状況では、たちまち経営は苦しくなります。
そこで、私たちサラリーマン/会社員にとって、大企業で働いたり大きくなっていく企業で働く機会が増えていくことを鑑みて、今回のシリーズでは、大企業の組織構成について考えていきます。