管理者と責任者が、実務担当者とうまくやっていくために

現場で実際に仕事をする実務担当者、その実務担当者を管理する管理者、管理者と実務担当者を含めて部署全体の責任を取る責任者と、組織においてはいろいろな役回りがあります。これらの役回りがうまく行ってこそ、組織、ひいては会社全体がうまく運営されていきます。しかしながら、実務担当者、管理者、そして責任者の3者(管理者=責任者の部署であれば2者)には利害関係があるために、ここを円滑に運営していくということは意外に難しいことです。

仕事をする実務担当者には色々な都合や事情がある上に、現実として管理者や責任者よりは給与が低いというのが一般的です。従って、雇用が担保され給与に大きな差がでないのであれば、出来るだけ楽をしたいというのが実務担当者の心情です。一方、管理者は、効率的に多くの仕事を実務担当者にこなさせて成果を上げれば評価が上がります。つまり、実務担当者と管理者は利害が反しています。さらに、責任者になると、実務担当者と管理者のバランスを取って、すべてのことに合格点をとる必要がありますので、利害関係としては更に複雑になります。このようななか、実務担当者と、管理者・責任者がうまくやっていくにはどうしたら良いのでしょうか?

これを解決する一つの方法は、当たり前のことですが互いの仕事を理解することにあります。互いの仕事を理解して、お互いのメリット・デメリットや事情を思いやることによって、大きな改善を期待できます。では、どうしたら良いのでしょうか?まず、管理者・責任者が実務担当者の仕事をやってみることです。全てのことをやる必要はありません。やる時間もありませんし、実務担当者にとっても迷惑です。ですから、一つのデータをシステムに入力してみるとか、一つの作表をしてみるとか、一つの書類のファイリングをしてみるとか、それだけで構いません。一つのことをするだけでそれに関する多くのことに予想がつきます。これによって、実務担当者の苦労や気持ちを少しでも理解できますので、何が辛いか面倒かということもわかります。

次に、管理者・責任者の状況を実務担当者に知ってもらうには、管理者・責任者から実務担当者に管理者・責任者以上の会議でどのような話がされ、どのような検討がされ、どのような決定がされたかを、差し支えない範囲で実務担当者に説明・解説することです。このことによって、管理者・責任者達で何か起こっているかを把握できるので、自分たちなりに工夫してそれに近づけたりすることも可能になります。あるいは、実務担当者からの提案も生まれるかもしれません。

つまりは、管理者・責任者が時間を見つけて少しの工夫をするだけで、実務担当者と距離を大きく縮めることができます。逆に、管理者・責任者になったからと言って、実務に全く首を突っ込まなくなったり、上の情報を実務担当者に伝えたりしないと、実務担当者と大きく溝が出来てしまい、うまく行かなくなってしまいます。管理者・責任者の皆様、あなたからの歩み寄りがポイントなのですよ。

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