息子・娘へのアドバイス(20)

前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。

〇最初は一つのことに集中し、将来は全てにバランスをとっていこう
仕事にしても生活にしても趣味にしても、我々にはやることがたくさんあります。そのような中で、何か一つのことに集中すべきなのか、あるいは複数のことを経験して浅く広い知識を持って行った方が良いかというのは、悩ましい選択です。仕事で言えば、スペシャリストなのかジェネラリストなのか、趣味で言えば、何かに一筋なのか多趣味なのかということです。
結論から言うと、目指す最終的な姿は、何か一つの軸となる得意なことを持っていて、それ以外のことも幅広く経験・知識があるのが良いと思います。そのためには、若いころは一つのことに集中し、その後は多くのことを経験していく手法が良いでしょう。その理由について、以下に書いていきます。
ビジネスにしてもプライベートにしても、何か一つ他の人よりも抜きんでているというのは大切です。その一つが会社やプライベートなコミュニティで必要とされるのであれば、そこで生き残っていくことが出来るからです。そういった意味で、何か一つの軸となる得意なことを持っていると有利です。ビジネスでは、よくシェアNo.1に拘ることが多いですが、それが一つの例です。また、何か一つ抜きんでているものがあっても、環境変化があってそれが不要になることもありますし、貴方を凌駕する他者が現れるかもしれません。そのためには、広く環境変化をとらえたり、驚異の他者が現れたらやり方を変えたり得意なことを変更しないといけないかもしれないのです。そのためには幅広い知識を有していて、アンテナを張り巡らしたり、場合によっては別の新しいことを極めるための土壌を有していることが有利なのです。
このように、何か一つの軸となる得意なことを持っていて、それ以外のことも幅広く経験・知識がある状態にするには、まず、何か一つの得意なことを極めることをお薦めします。というのは、歳をとると、集中力と頭の回転が衰えるという生理的な影響に加えて、仕事や生活で責任範囲が増えてやることが多くなり時間がとれなくなるというこになりがちです。また、一つのことを極めることによって、他のことを学ぼうとする場合にポイントが分かるようになり労力が少なくて済みます。このような理由から、とにかく、まず何か一つの得意なことを極めましょう。
また、一つのことを極めた後は、いろいろなことをどん欲に経験しましょう。国内外含めて色々な場所に旅行したり、仕事や遊びなど多くのことを体験してみたり、世間で流行していることを率先してやってみたり、友人や家族の行くところやすることを真似したりしてみましょう。歳をとっているからといって恥ずかしがったり億劫になったりせずに挑戦しましょう。この経験が、意外に自分の身を助けるということが多く有ります。

次回に続きます。