前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇歴史に学ぼう
学生の頃、あるいは社会人になりたての頃というのは、勉強にしても仕事にしても先生や先輩から教えてもらうことが出来ます。いずれも、先人が残した教科書、マニュアルなどがあり、それをベースに先生や先輩から教えてもらったり、あるいは先生や先輩が学んだことを直接口頭などで指導してもらったりします。これらが、我々が色々なことを学ぶ基本になります。
ところが、社会人として中盤に差し掛かってくると、先生や先輩から教えてもらえることが少なくなってきます。そもそも、民間の一般企業で勤めていると先生が居るということがほとんど稀ですし、社会の環境変化などで、新しいビジネスモデル、新しいシステム、新しい人事体系などが生まれてくると、先輩たちも経験がありませんから教えることができません。また、勤めていなくて、例えば家事や子育てをされている方でも、社会やコミニュティーのしくみが新しくなったりすると、特に個人の孤立感が高い都会などではその対応に四苦八苦することでしょう。
このような周りの環境が新しくなったことによる日々の諸問題については、過去に例がありませんから、その場その場で対処していくしかありません。友人や知り合いに聞いたり、ネットで調べたりなどして、いかに時間をかけずに問題に対応していくことがポイントになります。放っておくと、日々問題が発生しますので身動きが取れなくなってしまいます。スピード優先で取り組んでいきましょう。
ところで、日々の問題にその場その場で対応していったとしても、所属している組織や家庭などが、疲弊していったり衰えていったりする場合があります。更に、先が見えない、良くなるようには思えないといったように閉塞感が漂う場合は危険です。日々の問題の対処だけでは不十分ということです。これには、会社であれば組織全体として取り組む方向、組織の体制、システムの再検討などが必要かもしれません。家庭であれば、対応者の変更、住居の変更、学校や職場の変更などが必要かもしれません。ですが、こういうことは大きな決断なので簡単には判断できません。
このような場合は、歴史に学ぶことが大きなヒントになることが多いです。歴史小説で日清戦争などを取り上げたものでは、各国や軍隊のリーダがいかに方針を考えていかに対応したかによって。それぞれの成功例や失敗例が書かれています。また、過去の偉人や経営リーダの小説では、彼らがターニングポイントでどのような判断と活動をしたかが書かれています。このような例を見ていると、大きな判断をどのようにしたら良いかのヒントを見つけることが出来るものです。もちろん、難しい判断や特殊な行動を真似せよと言っているのではありません。全体が向かう方向性と、それに対するポイントの見つけ方、そして行動力といったものを学べばよいのです。
小さい頃の歴史の勉強は、知識の吸収です。大きくなってからの歴史の勉強は、参考書に相当するのです。
次回に続きます。