前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇子供を育てよう
人として生まれてきた私たち、人それぞれの人生があると思います。その中でも、自分自身がどのように生きていくかとともに、自分の子供を作って育てる、あるいは自分の子供であるか否かにかかわらず、人間の将来を作っていく子供たちを育てるというのは、大きなテーマの一つだと思います。
いまの科学では、やはり人には寿命があります。平均寿命が以前に比べて延びたといえ、殆んどの人が100歳までに死んでしまいます。また、長生きしたとしても、実効的に大きな成果を上げたり何かを成し遂げたりするのは、多くの場合は60歳代までというのがほとんどではないでしょうか。つまり、自分自身が頑張って生きたとしても、社会で大きな活躍ができるのが60歳代で、100歳くらいまでには死ぬのです。
そう考えると、人生は短いものです。、自分が一生懸命生きたとしても自分自身はすぐに居なくなってしまいます。逆に、自分自身がすぐに居なくなるとわかっていて、では、自分自身は何をするべきかを考えるというのも人生を考える上で一つのアイディアです。
自分が生きているうちは自分が存在しますが、自分が居なくなった時でも自分自身を何らかの形で残していきたい、こう考えるのは自然です。そのため、人は色々なことをやってきています。もちろん、それだけの理由ではないと思いますが、芸術家が素晴らしい作品を残す、建築家が素晴らし建築物を残す、政治家がより良い国を作る、教師が生徒を育てる、そして、人が自分の子供を産んで育てる。このようなことは、その世界で自分自身の存在を示すとともに、後世に何かしら自分が生きてきた形跡を残すことになります。若いうちは、その時代にともに生きている人々に自分の存在を示すことがメインの目的でしょうけれども、歳をとってくると、後世に足跡を残すことの方がメインになってくるのではないでしょうか。
こう考えると、才能や努力や運が無いと出来ないことが多く有りますが、自分の子供であるかどうかにかかわらず、子供を育てるということは比較的多くの方にそのチャンスがあります。また、自分の子供であれば、遺伝子そのものが伝わっていくということだけでなく、親として育てる責任があるだけではなく、自分の子供を自分の思い第一で育てることができる権利があります。自分の遺伝子を持ったものが自分の期待する人生を歩んでいくのであれば、それは大きな幸せになります。
昨今は子供を育てることが大変であり、なかなかそれに踏み切れない方も多く居ます。責任が取れないから、作らない、育てないという考え方も多いようです。でも、少し乱暴な言い方をすれば、どの動物も植物も親は責任をとって育てるために子孫を残すのではなく、生き残ることを期待して残すのです。また、例え自分がどんなに素晴らしい人間であっても、将来は全く分かりませんから、責任なんて誰も取れません。
さらに、人には人の考えがあるから、子供たちには自分の考えを押し付けないという考え方もあります。もちろん、それも大切ですが、一方、自分達の世代が次世代にやって欲しいということをお願いしていくというのも満更悪いことでは無いと思います。
以上のように、子供を育てるということは、ただ、彼らが思うように生きていくようにする義務だけではなく、自分たちの存在を継承していく者であり、自分たちが育てる権利があり、自分たちの存在を後世に伝える者、というくらいの意識でみるというのも大切だと思うのです。これを歳をとってから考えるのでは遅いです。若いうちから早く考えましょう。
次回に続きます。