前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇価値観が違う人からも学ぼう
人は、それぞれ個別の価値観を持っています。例えば、仕事に対する価値観としては、金儲け、自己実現、社会参加、などがあります。もちろん、どれか一つのためだけに仕事をしているのではなく、複数の価値を求めている方がほとんどでしょうが、その比率は人によって異なります。また、例えば、異性に求める価値観も人によって違います。人柄、容姿、金銭、コミニュケーションなど、これらも優先順位や比率が人によって異なります。
このように、人によって価値観は異なるわけですが、一緒に仕事をする人、一緒に過ごす異性、あるいは友人も同じ価値観の人を選ぶことが多くなります。価値観が同じ人と過ごすことは、会話も弾みますし共感できます。ですから、一緒に居て楽しいですし、自分自身が更に進化しようとした場合に有効なアドバイスももらいやすいです。
若いうちや経験が少ないうちは、それでも良いと思います。ですが、歳を重ねる、あるいは経験が増えてくると、それだけでは不十分になってくることがあります。というのも、価値観が同じ人同士の会話では、注目するポイントやものの見方が同じなので、一定のレベルに行くのは早いのですが、そこからの進歩が難しくなります。
そのような場合に、違う価値観の人は、注目するポイントやものの見方が異なるので、仕事などで行き詰っている時にヒントとなるものを与えてくれることが往々にしてあります。
例えば、仕事の価値観として自己実現を一番に挙げている人は、理論的な仕事、効率的な仕事、周りから認められる仕事をする傾向にあります。ところが、民間企業で求められていることは、このような美しい仕事ではなくて経営に貢献する仕事をすることです。誤解を恐れずに悪い言い方をすれば、泥臭いやり方であっても、利益が得られれば良いわけです。こんな時、仕事の価値観として金儲けを一番に考えている人は、いかに良い成果を出すか、いかに早く結果を出すかという視点で日頃から仕事を進めています。このような人は、自己実現を考えている人では思いつかない仕事を進めるテクニックを持っていることが多いです。成果を上げる以外には不要な調整や資料作りを行わず、早く結果を出すために利用できるものは全て利用することを考えます。このようにまっすぐに仕事を進めるやりかたというのが参考になる場合が多いです。
もちろん、価値観が違う人と一緒に遊びに行ったり飲みに行ったりしろと言っている訳ではありません。価値観が違う人のやり方を観察してみたり、会議の時の発言を注意深く聞いたりするだけでヒントが得られることも多く有ります。また、アドバイスをもらいに行くのも良いと思います。相手も、価値観が違うことをわかってアドバイスもらいに来ていることがわかっているので、実力者であれば良い対応をしてくれることでしょう。
次回に続きます。