息子・娘へのアドバイス(4)

前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。

〇自分で自分の限界を作らない
勉強にしてもスポーツにしても仕事にしても、自分の実力でどこまでも行けるのではなく、どこかに壁が有って容易に越えられないところに突き当たります。日本では小さいころから勉強でもスポーツでも順位が明確につきますから、色々な場面で自分の実力というのを思い知ることになります。また、小学生中学生高校生の頃は、毎期毎年新しいことを常に覚えていかないとなりませんから、ついていくのに精一杯ということに陥りかねません。
新しいことを常に覚えていくということは、要領の良い子供にはとても有利に働きますが、要領が良くないタイプの子供はなかなか苦労します。本当は時間をゆっくりとかければ理解できることも、時間に追われてしまうのでそれができません。特に、日本の教育は、何か一つの科目を伸ばすというよりは、全ての科目の平均点を上げることを重要視しますので、伸ばすというよりは、お尻を揃えるという勉強の仕方になります。こうなると本当は、得意な科目になるはずなのにそれに気づかなかったり、壁を越えることができるのに越えるコツを見つけることが出来ずに学生時代を過ごしてしまうことになりがちです。
ところが、社会人になると、同じ仕事をある程度続けて長くすることになります。一つのことに一定期間従事することが出来るので、ゆっくりと考えことが比較的やりやすくなります。ここで大切なことは、以前の学生時代の経験に基づいて、自分で自分の限界を作ってしまわないことです。それが、パソコンのアプリであったり、数学的処理であったり、法律の解釈であったり、技術的な検討であったり、するかもしれません。これらについて、すぐには分からないにしても、あきらめずにゆっくりと時間をかければ、分かることもあるかもしれません。こういったことは、ちょっとした発想のコツを知っているか知らないか、あるいは、一つの理解ポイントを知っているかどうか、それだけで全ての謎を解けるか解けないかのキーを握っているということもよくあるのです。
このようなことは、長く考えていると、ある時急にひらめいたりします。私の経験で行くと、半年~3年くらいかけて、ようやくひらめくこともあります。ですから、同じことを長い時間諦めずに考え続けることが重要です。朝も昼も夜もなーんとなく考え続けることが大切です。そうすることによって、ある時ひらめいたりします。一度、これを経験すると、後はやり方がわかるので徐々に上手になってきます。
これを始めるのは、30代でも40代でも遅くありません。何歳になっても、自分で自分の限界を作らず、自分の壁をやぶっていけば、悩みを解消し、そこからまた新しい人生が歩めるかもしれません。

次回に続きます。