前回の記事に続き、これまでの人生経験に基づいて、次の時代もある程度予想しながら、順不同で子供たちへのアドバイスを書いていきます。
〇身についた既成概念を捨てよう②
前回の記事で、自分自身は自分自身で作ったものでは無く、親や他人の考え方、その時に影響を受けた環境などの集合体で形成されてきたことを書きました。これは、実は自分に自信を持っていなかったり、自分を悪く思っている人たちにとっては、大切な事実です。
つまり、もし今の自分に間違ったところがあったとすれば、それは自分自身に起因するものでもないので、正しく直せばそれで良いわけです。また、自分自身を変えることにためらったり、自分が自分でなくなるようなことを心配する必要はありません。元々、自分というのは自分でないわけですから。
こうなると、大切なことは自分自身を見直すことです。もちろん、見直しているのが自分自身ですから中々難しいことではあるのですけれども、あたかも自分が生まれたばかりの気持ちでまっさらに見つめなおすことが必要です。それが難しいのであれば、自分自身の考え方や判断について気になることについて、それが自分の親や兄弟や学校の先生や知人や本の中の人の、いったい誰の考え方や判断であるのかを探してみるのも良いかもしれません。
このように自分の身についてしまった既成概念を捨ててしまって、自分自身を一から新たに作り直すつもりになれば、気持ちは意外に楽になるものです。この、自分の身についてしまった既成概念を捨てて、新しい自分自身信や自分の考え方を作り上げていくことは、若いころだけではなく、40歳、50歳、60歳になっても必要なことなのです。例えば、サラリーマン/会社員になって、係長、課長、部長、所長、役員、社長という階段を上がっていくとした場合、係長や課長で5人~15人の部下を持っている間はそれまでの自分でも大丈夫かもしれませんが、部長以上になって、50人や100人を軽く超える部下を持ち、社外の人とも色々と交流を持つようになれば、個人の考えや自分勝手な振る舞いは許されなくなります。そんなことでは、ポジションを与えられることもありません。ですから、係長や課長以上を目指すのであれは、今の自分自身を強化するのではなく、いかに既成概念を捨てて自分自身を新たに形成していくか、という行為を日々続けなければなりません。特に、役員や社長となれば、社外の多くの人たちや場合によっては消費者などとも向かい合うことになりますから、それに見合った自分を形成する必要があります。
これは、サラリーマン/会社員だけではなく、主婦の方やリタイヤされた方にも必要な考え方だと思います。人生では生きていくステージが様々に変わっていきます。そして、色々なことに悩みます。そんな中、既成概念を捨てて常に新しい自分でそれに対応していけば、実は悩むことも少なくなって気持ちも楽になっていくように思うのです。
どうでしょう? 今あまり悩みが無いのであれば意味のないアドバイスかもしれませんが、今悩みがあったり、今後もし何かに悩むようなことが有れば、身についてしまった既成概念を捨て、新たな自分を作り出して対応してみたらいかがでしょう。なんか大げさな気もしますが、実は自分自身に少しの変化をつければすむ便利な方法だったりするのですよ。
次回に続きます。