地震:マグニチュードと震度の違いとは?

この10年間、日本でも多くの地震が起こっています。2011年の東日本大震災、2012年の三陸沖地震、2013年の兵庫県淡路島地震、2016年の熊本地震、2018年の大阪北部地震と北海道地震などです。このなかでも、東日本大震災はマグニチュード9.0、最大震度7となっており、日本の観測史上最大規模でした。ところで、マグニチュードも震度も、大きな地震では7、8、9あたりの数字が使われるため、それぞれが一体何を表す数値なのか、分かっているような分かっていないような感じになってしまいます。そこで、今回、改めてマグニチュードと震度について、それぞれが何を表すのかをきっちりと勉強して理解しておきたいと思います。

マグニチュードとは、地震が発生するエネルギーの大きさとされています。地震は、地中のどこかで断層が動いて発生すると言われていますので、そこで生じたエネルギーと解釈してよいと思います。つまり、地震が起きた地中の場所で発生したエネルギーの大きさということです。断層が動いた地中の場所でのエネルギーですから、実際に地表で揺れている大きさとは異なります。地表の揺れは、地震が発生したエネルギーを受けて、結果的に近い場所では大きく揺れ、遠い場所では少しだけ揺れます。このそれぞれの揺れは、場所によって異なります。この、それぞれの場所での揺れの大きさを震度と読んています。つまり、地中の発生地点でマグニチュードで表現される大きさのエネルギーの断層の動きが発生し、その結果、地表のあちらこちらで震度で表現される揺れが起こるわけです。これが、地震のメカニズム、そしてマグニチュードと震度の関係です。

言い変えると、マグニチュードが地震が発生した原因の大きさ、震度がその結果として各地の地表で揺れた大きさです。ですから、1つの地震においてマグニチュードは1つであり震度は場所によってそれぞれ異なって沢山あります。

マグニチュードはエネルギーの大きさですが、これは数学嫌いの人には恐縮ですが、対数で表現されています。これは普通の数字の増え方と異なっており、マグニチュードが0.2増えるとエネルギーは約2倍、1増えるとエネルギーは約32倍になります。例えば、東日本大震災はマグニチュード9.0ですが、1923年の関東大震災はマグニチュード7.9と推定されています。つまり、東日本大震災は、関東大震災の32倍を軽く超える地震のエネルギーの大きさだったわけです。とてつもないエネルギーということがわかります。なお、マグニチュード12で地球が割れるとされているので、そのような数値を我々が目にすることは無いでしょう。

一方、震度は揺れの大きさですが、気象庁の震度階級は「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級になっています。定義と程度はあちこちで記載されていますが。覚えておくべきことは、震度7が最大の階級であることです。震度7と表現されれば、最大級の揺れであることを理解して注意を払いましょう。また、マグニチュードは地震そのもののエネルギーであって、我々に直接関係する数値ではありません。関係するのは震度です。私自身は、目安として、震度5弱以上の地域があれば注意するようにしてます。

最近は地震の情報も正確に早く伝わるようになりましたから、受け手側も正しく理解して情報を使いこなすようにしましょう。