前回から引き続き、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」にて平成28年3月30日に決定した観光ビジョンについて、目についた項目、気になった項目についてチェックしています。なお、ピックアップする項目は順不同です。
〇MICE誘致の促進
MICEとは、「Meeting」「Incentive Travel」「Convention」「Exhibition/Event」の頭文字のことで、多くの人が集まるビジネスイベントのことです。これらは経済効果が大きいものの、認知度が低く関係者のサポートが得られないということです。確かに、サミットが行われるなどはニュースで報じられますが、ビジネスイベントが行われるというのは殆んど報じられることはありません。開催当事者が苦労されているのは想像がつきます。これを官民でサポートするとのことです。ビジネスで来日される方は一般かそれ以上の富裕層が多いですから、MICEを承知してビジネスマンに好印象を与えれば、プライベートで来日される確率も高いでしょう。効果がありそうです。
〇ビザの戦略的緩和
訪日にあたってビザが必要な国のうち、潜在力が大きい中国、フィリピン、ベトナム、インド、ロシアを戦略的にビザ緩和するとしています。確かに、ビザの発給を受けるのは面倒ですし時間もかかりますので、旅行希望先であってもビザが必要な国は躊躇します。また、思いついて短期間で旅行をするということも出来ないですから、これは効果がありそうです。
〇訪日教育旅行の活性化
海外の児童生徒が日本に来て、主には日本の学校を訪れて交流することをいいます。受け入れ学校側の理解や調整などが必要で大変だということですが、これはとても良いことだと思いますので、活発になれば良いと思います。海外の児童生徒が日本に来ると、本人がリピータになったり家族への宣伝にもなるでしょう。また、訪日観光者の増大以外に、受け入れ側の児童にとっても海外に触れる良い機会になります。子供のころから海外に触れるのは、良い経験になります。是非とも進めて欲しいです。
〇観光教育の充実
これは、日本の子供たちに、日本各地に様々な観光資源など個性があることを知り、興味・関心を持ち、その魅力を実感・発信できるような力を育むということです。個人的には、子供たちが魅力を発信するというよりは、日本が観光立国を目指していることをきっちりと理解し、おもてなしをする意識を持たせる方が有効のように思います。
〇若者のアウトバウンド活性化
若者の海外旅行が減っているそうで、1996年から2014年だと20~24歳の海外旅行者数は40%減少しているそうです。旅行業団体等と連携し、若者割引等のサービスの開発・普及を行って、若者の海外旅行を増やすことにより国際感覚を培うことによって観光立国の実現に貢献させるというものです。個人的には、観光立国に貢献するかどうかは微妙だと思いますが、若者が海外に触れてグローバル感覚を養えることに意義を感じますので、支持します。
次回に続きます。