観光立国を目指す日本をチェック!⑦/11

前回から引き続き、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」にて平成28年3月30日に決定した観光ビジョンについて、目についた項目、気になった項目についてチェックしています。なお、ピックアップする項目は順不同です。

〇宿泊施設不足の早急な解消及び多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供
外国人旅行者の急増に伴う大都市のホテル不足と多様なニーズに対応することが必要になってきています。一方、Wi-Fiや多言語表記が不十分なために稼働率が低い旅館があったり、宿泊施設に転用できる遊休施設があちらこちらにある事実もあります(廃校など)。そこで、Wi-Fiや多言語表記の費用を半分負担したり、旅館の空室情報の提供を強化したりということを推進していきます。既存の活用できる施設を有効活用することは、費用も安く早く出来るというわけですね。

〇世界水準のDMOの形成・育成
DMOとは、「Domestic Management Organization」の略で、自然・食などの地域の観光資源に詳しく、地域と協同して観光地域づくりをする法人です。2030年までに100組織を形成する予定ということで、政府が情報や人材や費用的な支援をするとしています。あり方が難しい組織かもしれませんが、効果的な運営になることを期待します。

〇「観光地再生・活性化ファンド」の継続的な展開
温泉街等の観光地において、宿泊施設や交通網等の整備のニーズが高まっていることから、「観光地再生・活性化ファンド」を全国で継続的に展開するとしています。あまり複雑なシステムにならず、効果的な活用がされることを期待します。

〇次世代の観光立国実現のための財源の検討
必要な財源を確保するとしていますが、受益者負担を目指すとしています。観光先進国を真似るとしていますので、これは、宿泊者や宿泊施設になるようです。これも、先の2項目と同様に、簡単なしくみで効果的に徴収・配分されるようになることを期待します。

〇訪日プロモーションの戦略的高度化
2020年オリンピック・パラリンピックによって日本への関心が高まる中、上手に日本の観光について世界にアピールしていこうというものです。専門家や著名人を使ってもやっていくことが検討されています。費用対効果が見えにくい難しい取り組みですが、クリーンで分かりやすいものになることを期待します。

〇インバウンド観光促進のための多様な魅力の対外発信強化
海外に対し、ネットを活用した情報発信、欧米豪の有力なオピニオンリーダー等による特別な日本体験の映像を海外キー局で強力に発信、富裕層をターゲットとした海外のメディアや旅行会社を100人/年招請し情報発信とツアーの造成を促進、官民共同の出資を通じた海外での日本コンテンツ専用チャンネルの確保やNHKワールドTVの受信環境の一層の整備、地域の産品情報やプロモーション動画の発信等を進めていくとなっています。ここまでくると、どこまでが適切なのかどうかというのは良く分からなくなってきます。これより以前の項目が功を奏して目論見通り進めば、勝ちパターンに入って色々と出来るのかもしれません。実力に見合った投資になるべきだと思います。

次回に続きます。