解説:RPA(Robotic Process Automation、RPA)とは?④/5

前回の記事で、経営判断をしている責任者や組織長であっても、RPAアプリケーションは有効である場合が多いことを説明しました。では、実際に自分の職場やオペレーション部隊に、どのように導入すれば効果的かを考えていきます。

どの部署にRPAアプリケーションを導入したら良いかですが、パソコンに向かって一日中作業している部署やメンバーが先ずはその第一候補になります。次にその作業の中身になります。例えば、パワーポイントに向かって、構想を具体的な形にしたりアイディアを練りこんだりしている部署や人は、あまり対象になりません。頭の中の考えを整理するためにパソコンを使う作業はRPAするには向いていません。一方、色々な部署から来たデータやメールを加工したり、加工して送信している部署、データそのものを色々なツールを使って定型の形にしている部署や人は、RPAが有効な場面が多いです。特に、そのような処理を上司の指示をあまり仰ぐことなく単純に処理だけしているのであれば、多くがRPA対象になる可能性があります。

さて、責任者や組織長がそのような部署や人にRPAを導入するのはどうしたら良いでしょうか。自らやってみたい方も多くいらっしゃるかもしれませんが、忙しいから中々そういう訳にもいかないでしょう。かといって、そのまま現場の人たちにアプリーケーションをそのまま渡してもうまく行くとは限りません。それはなぜでしょうか。

RPAは、人間がやっている作業プロセスを、論理正しく順番にアプリケーションに教える必要があります。何と何を見て、どういう条件で処理をどのように分岐させるかを正しく設定する必要があります。そうしないと、間違った動きをするか止まってしまいます。実は、プログラマーの頭の構造とほぼ同じの必要があります。プログラマーとの違いは、難しいプログラミング言語を覚える必要は無くて、パソコン上の処理をきっちりと形にしていくことです。

そうなると、論理的な思考でない人は、RPAに仕事を覚えさせることが出来ません。どのような人が向いているかというと、職場に色々なツールを導入して全体を便利にしたり、エクセルを使う仕事の場合に、色々なマクロを組んで他人よりも便利に確実に速くデータ処理をしている人、考え方がシンプルで作業で結果を出すのが早い人、こういった人が職場やメンバーに居れば、RPA導入を現実のものにすることが出来ます。このような人は、職場を探してみれば必ず居ます。といいますのも、これだけパソコンとネットワークが発展すると、実はそういう人が居ないと職場は成立しないからです。もちろん、各部署に必ず居るとは限りません。でも、隣の部署に居る可能性は高いです。そういう場合は、隣の部署のその方にRPA導入を頼むことになるでしょう。

次回に続きます。