解説:RPA(Robotic Process Automation、RPA)とは?②/5

前回の記事で、これまでのパソコン作業は、例えば、電子メールでデータを受信するのはoutlook、データをフォルダに保存するのはエクスプローラー、データからグラフを作るのはエクセル、グラフを報告書にするのはワード、報告書を送るのはoutlookといったように、個々の作業はそれぞれが行うものの、それらを関連付けて繋ぐ作業として人手が必要であることを述べました。

ところで、outlookやエクスプローラーやエクセルやワードそれぞれを操作できるアプリケーションがあったらどうなるのでしょうか?個々の全ての作業がすべてパソコン上で動いているのですから、それらを統合して一連の作業を行うことが出来ます。また、そのアプリが自動で動いてくれれば、人間は何もしなくても大丈夫かもしれません。まさに、パソコンを操作するロボットの様です。つまり、パソコンで人間がする過程(プロセス)を自動で実行してくれるアプリケーション、これをRPA(Robotic Process Automation、RPA)と呼びます(広義や狭義では諸説ありますが、ここではこう呼びます)。

実は、エクセルのマクロも、ある意味でRPAの一種です。特に数値の上下によって条件分岐を行うようなものは、RPAに近いです。ただ、エクセルのマクロやプログラミングはそれなりに難しいですが、最近のRPAは例えばフローチャートを見ながらビジュアル的に作業プロセスを教え込むようなタイプですので、比較的簡単にできるようです。現場の作業者が、RPA熟練者のアドバイスを聞きながら出来る例もあるみたいですので、例えば、エクセルに習熟している人であれば覚えるのが早いかもしれません。

一例を挙げると次のようなイメージです。メールソフトを立ち上げて、メールが来たら差出人と表題を見て、該当する条件であれば、その添付ファイルを既定のエクスプローラーに保存する。といったプロセスをRPAアプリケーションに教えるます。まさしく人がパソコン上でやっている作業をそのまま教え込むことになります。もちろん、これを実現しようと思えば、差出人がいつも同じ人であるようにメール送信者にお願いする必要がありますし、添付ファイルのファイル名もいつも同じが一定のルールにしておかねばなりません。このルールが守られないとたちどころにRPAアプリケーションはとまってしまいます。そうなると、メール送信者もファイル名も頻繁に変わってしまうので、現実的には難しいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは工夫次第です。例えば、メール送信者を完全にアドレス一致ではなくてドメイン名一致にするとか、フィル名が異なっていれば、一時RPAソフトを待機させて人間に中身を確認させる、というプロセスを入れておけば、かなりの工数が削減できる可能性が出てきます。

次回に続きます。