学校基本調査(文部科学省)⑤/5

前回の記事に続き、文部科学省のホームページから「学校基本調査-平成29年度結果の概要-」を見て、気になる項目について順不同でコメントしていきます。学校基本調査は、学校に関する基本的事項を調査したもので、調査の対象は、全国の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校です。

〇大学(学部)卒業者
卒業者は567,763人で、就職者が76.1%、大学院等への進学者が11.0%などが主な進路です。就職者の割合はこの10年で順調に増えており、10年前より約9ポイント増えています。経済が順調に良くなっていることと少子化により働き手が減っていることの相乗効果で、増えていると思われます。また、産業別に就職者を見ると、男子は「卸売業,小売業」16.9%、「製造業」14.4%、「情報通信業」10.6%等の順であり、女子は「医療,福祉」18.9%,「卸売業,小売業」15.0%,「金融業,保険業」10.4%等の順となっています。男子では製造業が依然として多いのは、日本ではまだまだモノづくりが行われているということなのでしょう。女子が「医療,福祉」が多いというのは少し驚きました。家族単位が小さくなり、逆に職業としてそういうニーズがあるということなのでしょうか。なお、大学(学部)を所定の4年で卒業した者は、81.2%でした。5人に1人は所定で卒業できていないということで、少し多いように思います。

〇大学院修士課程修了者
修士課程終了者は、就職が55,429人77.9%、大学院等への進学者が6,575人9.2%などとなっています。就職者を更に産業別に見ると、製造業が43.0%、情報通信業が11.4%、教育・学習支援業が8.0%などとなっています。修士課程は先に書いたように工学が多いことを考えると、上位2つは納得が行きます。製造業に入っても、そこの研究部門等で働くには、やはり修士課程修了者でないと難しい現状があるのでしょう。

〇大学院博士課程終了者
博士課程修了者は、就職者が10,546人67.4%、であり、その主な就職先は、教育・学習支援業が31.9%で最も高く,次いで医療,福祉27.9%、製造業14.7%となっています。

〇国・公立大学等の経費
国立が2.9兆円、公立が0.6兆円となっています。これ以外にも私立がありますので膨大な金額になります。教育産業というのは本当に広く捉えるとかなりの金額になることがわかります。教員や学生の生活周りも含めると影響は大きいですね。

以上、5回に渡って、学校基本調査(文部科学省)について気になる項目をピックアップしてみました。

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