前回の記事に続き、文部科学省のホームページから「学校基本調査-平成29年度結果の概要-」を見て、気になる項目について順不同でコメントしていきます。学校基本調査は、学校に関する基本的事項を調査したもので、調査の対象は、全国の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校です。
〇中学校の教員数
250,060人で、女性教員の占める比率は43.1%です。女性比率が半分に近づく勢いで増えていることに驚きました。そのうち、比率は半々に近づくのでしょうか。中学生というのは社会性に気づく年齢のように思いますので、その時に教員の男女比率がほぼ同じというのは、今後の日本の社会を形成するうえで良いことだと思います。
〇高等学校の生徒数
生徒数は3,280,247人、普通科(2,388,509人)73.0%が最も多く、次いで工業科(249,930人)7.6%、商業科(195,190人)6.0%などとなっています。普通科から大学に入ってサラリーマン/会社員だけが必ずしもベストな選択ではありません。それよりも、より一層個人の特性が必要になってくる社会となり、また、それがどこで何をしていてもインターネットで世の中に発信して認知してもらえる世界になりました。想いがあるのであれば、自分を信じてより自由な選択をして良い時代だと思います。また、少子化のため再就職のチャンスはこれまで以上に増えるでしょう。やり直しの可能性も高くあります。なお、高等学校には、総合学科、農業科、家庭科、など多くの科があります。
〇高等学校の教員数
教員数(本務者)は、233,925人で、女性教員の占める割合は31.9%です。この10年で、女性の割合が3ポイント増えています。中学校に続き、ここも男女均等になるのは近いかもしれません。社会での男女格差がまだ問題になることが多いですが、教育機関から変わっていくというのは社会をリードするかもしれません。
〇特別支援学校
学校数が1,135校、在学者が141,944人、教員数が83,802人となっており、10年前から比べると在学者が0%程度増加になるなど大きく伸びています。特別な支援が必要な若者は多いと思いますが、このように社会に参加できるというのは、ご本人やご家族にとっても良い傾向だと思います。一方、在学者に対する教員数の割合が高いために、コストがかさむのも事実ではないでしょうか。このあたりの工夫もうまく行いながら、共存する社会の実現を期待します。成熟した国になった日本ならではの、良い点と問題点を併せ持った点だと思います。
次回に続きます。