今回の記事は、総務省統計局が出している「労働力調査結果」(平成30年(2018年)5月分)のなかから、気になった項目をピックアップして私なりの考察をしていきます。なお、考察する項目は順不同ですのでご容赦ください。
最初に、調査の概要と言葉の定義をみていきます。基本集計は15歳以上人口について行われ、それを、大きく労働力人口と非労働力人口に分けています。非労働力人口は、通学、家事、その他(高齢者)であって労働していない方とし、それ以外を労働力人口としています。通学や家事をしながら仕事をしているものは労働力人口の方に含まれます。労働力人口は、就業者と完全失業者に分かれます。つまり、仕事をしたいが仕事が見つかっていない方は労働力人口に含まれます。以上を総合すると、労働力人口とは、働いている方、あるいは働ける方、働く時間がある方と見ることが出来ます。
就業者は、雇用上の地位から更に細かく分類しています。就業者は、自営業主、家族従業者、雇用者に分かれ、雇用者は更に役員と役員を除く雇用者にわかれます。一般的な会社員/サラリーマンは、雇用者に入ります。雇用者は役員などを除き、「正規の職員・従業員」,「パ-ト」,「アルバイト」,「労働者派遣事業所の派遣社員」,「契約社員」,「嘱託」,「その他」の7つに区分されています。「正規の職員・従業員」以外の6区分をまとめて「非正規の職員・従業員」としています。
〇大分類
労働力人口は6,856万人、非労働力人口は4,235万人となっています。労働力人口は60%強ということになります。少子高齢化が進んでいるため、政府は働き方改革により労働力人口や労働生産性を増やそうとしてますが、その思いも理解できるような数値です。なお、労働力人口において、就業者は6,698万人、完全失業者は158万人です。完全失業者は96ケ月減少しているということで、日本における景気の上昇と労働力不足により求人も増加しているのでしょう。
〇就業状態別15歳以上人口
前年同月に比べ、15~64歳の労働力人口は43万人(0.7%)が増加,65歳以上の労働力人口は56万人(6.7%)が増加しています。65歳以上の労働力人口が比率で大きく増加しているのは注目すべきことです。一般企業の定年が60歳というところも多いと思いますが、そこから5年以上経った方が労働している比率が大きく伸びているということになります。最近は、日本の医療も充実してきていますので高齢となっても元気でいられる比率も高くなってきました。また、よりよい生活をする上でまだまだ収入を得たいという就業者の思いと、即戦力の労働者を欲しがる企業の思いがマッチしていることもあるのでしょう。政府の思いを見ても、この傾向は続くと思われます。
次回に続きます。