インターネット利用調査結果について⑤/6

総務省のホームページに、通信利用動向調査が掲載されています。前回の記事に続き、平成29年調査(平成30年公表)の統計調査データの中身を順に考察していきます。

〇クラウドコンピューティングサービスの利用状況
利用している企業の割合が56.9%と過半数を超えました。また、効果があったとかいとした企業が85.2%にまで登っています。職場の若手主力が、幼い頃からコンピュータに触れてきた世代になっており、コンピュータの親和性が高くなっています。クラウドという環境にもすぐに慣れるのでしょう。クラウドは、データそのものが手元の端末機器ではなくて、サーバー側にあります。ですから、メールにしてもデータにしても、端末機器を変えても同じ情報にアクセスができます。また、ひとつのデータを複数の人が参照したり加工したりすることができます。いまや、電子メールでどこに居ても仕事が繋がり、いかに早く仲間で作業するかが、ビジネスの成功に繋がる時代です。また、パートナー企業も、それを望んでいます。そうなると、クラウドコンピューティングサービスを活用しないと実現が難しくなります。便利と言うよりも、ビジネス環境が、それを望んでいるのでしょう。

〇テレワークの導入状況(企業)
テレワークとは、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を言います。離れた場所で働くという意味で、モバイルワークや在宅勤務がその代表です。
調査では、テレワークを導入している企業は13.9%であり、まだまだ少ないようです。パソコンに向かって黙々と作業するだけであれば可能ですが、事務職であっても会議や打合せが頻繁に行われているのが実態です。そうなると、テレビ会議のシステムが十分に活用できる環境が必要となってきます。それでも、事務職はまだ条件が整っている方であり、技術職などで会社の施設を使って仕事をしなければならない場合、営業職でお客様と商談をする必要がある場合などは、ほとんど不可能になってきます。テレワークが出来るのは一部の企業、一部の職種に限られるようです。また、環境が整ってテレワークを行うにしても、職場の協力が必要になってきます。テレワークを行っている人は職場にいない訳ですから、その職場ですべき仕事は、他の人でこなすことになります。職場の掃除、機器のメンテナンス、電話応対、などなど、職場に居ないと出来ない仕事も多いからです。職場全体として、テレワークを協力して推進していくこともポイントになります。

次回に続きます。