これまでの記事で、理系から文系に転身する方が多いことを説明し、技術者の転身で失敗しないように注意していくべきことを項目ごとに説明していっています。今回の記事もその続きで、色々な項目について記載します。また、最後に今回の「技術者の転身」の記事群のまとめを行います。
〇探求心が旺盛
技術者は、常に他人より優れた成果を出したいと思っていますし、新しい技術を身に着けたいと考えています。また、うまく行かなかい時は、その理由を明確にして対策を打たねばなりません。自分で設計したものは自分で責任を持って動くようにしない限りは、次に仕事はまわってきません。こういったことから、技術者は探求心が旺盛です。自分のことはもちろん、色々なことを明確にして対策を打とうとする傾向があります。ところが、営業職や事務職は、必ずしもそれが良い方向にでるとは限りません。もちろん、原則として、論理的に正しい仕事を目指すというのは原則ではありますけど、なにもかも明確にしたりきっちりしたところで、対策が打てなければ意味がありませんし、経営効果が生まれないようならば、探求する価値がありません、ですから、結果として何も生まれないようなことについては、本当にやるべきかを考える必要があります。、
以上、11回に渡って、技術者の特徴と他の職種に転身した時に注意した方が良いことを書いてきました。振り返ってみると、技術者の欠点ばかりを挙げでおり、あまり仕事が出来ない人種のようになってしまいましたが、そういうつもりは全くありません。論理的に思考し、粘り強く問題を解決して、複雑なハードウエアやソフトウエアと構築するということは誰にでも出来るわけはありません。その能力は、どのような職種にいっても必ず強い武器になると思います。技術者から転身して、大いに活躍している方は沢山いらっしゃいますし、鋭い仕事をする方は技術者出身の方を多く見受けます。問題は、特殊な仕事を続けていたため、転身した場合に新しいコミュニティにうまく馴染めないポイントが結構多く有るということです。今回の記事は、そういうことの気づきになればと思って書いた次第です。
最近、日本では、あまりモノづくりが行われなくなってきました。また、苦労が多い技術者というのは、若者から敬遠される傾向があります。そういったことから、技術者というのは希少価値が上がっているように思います。ですから、一度技術者になれば、技術者でずっと行くというのも良いかもしれません。しかし、新しい世界を求めたり、あるいは社命によって転身した場合でも、技術者の能力というのは高い価値があると思います。ですから、自信をもって新しい世界に向かって頂きたいと思います。