これまでの記事で、理系から文系に転身する方が多いことを説明し、技術者の転身で失敗しないように注意していくべきことを項目ごとに説明していっています。今回の記事もその続きで、色々な項目について記載します。
〇服装や持物にこだわらない
技術者の仕事の本分は、例えば、ハードウエア設計やソフトウエア設計を行い、目標とする性能を満足する製品を作ったり、多くの人にとって便利であるソフトウエアを提供したりすることです。そのため、相手にするのは、目の前にある電子回路やコンピュータであり、自分の服装や持物はそれらを使うのにいかに相応しいかになります。服装であれば、動きやすい、汚れでも構わない、楽であること。また、持物であれば、文房具やバッグにしても機能一番になり、軽い、使いやすい、などが選択の理由になります。ところが、営業職などではそうもいきません。フォーマルであってもカジュアルであっても、気の利いた服装をしている方がスマートに仕事をこなしてくれそうと感じで有利に運ぶこともありますし、文房具やカバンが一流であれば、ビジネス慣れしているように見えて安心感も増える場合があります。ですから、技術者から営業職などに転身した場合は、相手から見てどう捉えられるかをよく考えて、服装や持物を選ぶようにしましょう。
〇自分の世界観を大切にする
技術者の世界では、その人しか出来ない技術、あるいは、その人がとても得意な分野があります。これは、自社内で10人くらいチームを組んだ中でも、各人の得意な分野というのが明確に出てきます。技術者が開発や設計す場合は、多くのことを短時間でやり切る必要があるので、効率を一番に考えると、得意な人に得意な作業を集中してやってもらった方が一番早いですから、自然と専門性が進んでいきます。そして、それが進んでいくと、それぞれの人がそれぞれの得意分野で生きていき、自分だけの世界観というのが生まれてきます。一方、事務職で行くとなかなかそうはいきません。皆が同じような仕事をしていることが多く、共通の作業を複数の人で進めていくことで、大量の処理を公平性が保てた状態で行うことが可能になります。一人だけ違うことをしていると、その人が処理したものだけが扱えなくなったり不公平感が出たりします。ですので、自分の世界だけで仕事をしている人は疎まれる傾向にあります。ですから、技術者から事務職に転身した方は、まずは自分の世界を作らずに周りと同じように仕事をして歩調を合わせましょう。そして、自分の世界観を出した方が全体としてうまく行ったり、全体を助けることにある場合にオリジナリティを出していきましょう。
次回に続きます。