前回は、数多い部品購入の難しさから電気製品の製造量を急に増やすことが難しいこと、そして、それにもかかわらず、電気製品をコピーして同様の製品が作りやすいことを書きました。今回は、ソフトウエアやビジネスモデルについて書きます。
〇ソフトウエア
最近の電気製品は、部品だけで構成されているのではなくソフトウエアも重要になっています。ソフトウエアというのは、例えば、Windowsであったり、Androidであったり、いろいろなアプリケーションであったりします。これらのソフトウエアは、第三者がコピーしたり改ざんしたり大量にばらまいたりが比較的容易ですので、使用者はソフトウエアベンダーにこれら色々な不正をしないという同意無くしては使用できないしくみになっています。スマートフォンやタブレットやパソコンを初めて使ったり、新しいソフトウエアを使おうとした場合に、細かい注意書きや承諾を求める文言がたくさん出てきて、これに同意しないと使用できないようになっているのはこのような理由によります。
〇ビジネスモデル
スマートフォンやタブレットやパソコンは、色々なアプリケーションを使うと利便性が格段に上がります。また、ゲームなどを入れると娯楽性も高まります。しかし、最近のアプリケーションは、基本は無料、付加機能を使うには別途料金が必要となることが多くなっています。そして、その料金は、クレジットカードの自動引き落としで支払うことが可能になっています。インターネットやクレジットカードなど様々なインフラが有機的に融合された結果であり、それ自体は素晴らしいと思います。しかしながら、特にアプリケーションを有料で使うつもりが無くても、カード番号を入れないと電気製品が使えなかったり使いにくかったりする場合も多く、ユーザーにとっては不満に思ったり不安に感じたりする場合も少なくありません。
〇企業の社会的責任
最近の大企業は、社会的責任が多くなり、ユーザーに被害を与えたりすると賠償責任を問われるなど、多くの経営リスクを持っています。そのため、電気製品を販売する際にも、注意事項や免責事項を細かい文字で沢山記載して、いざとなった場合の責任範囲を極力少なくするような工夫をしています。あまり、分厚い注意事項や免責事項があると、ユーザーも少し嫌になったりします。
以上、3回に渡って、電気製品の最近の事情について記載してきました。製品を構成するための部品が多く、それをいかに準備することも大変であり、人気製品はなかなか手にれることが出来ないにもかかわらず、コピー商品は意外に出回りやすい状況になっています。また、電気製品を使うにあたっては、色々な事項に同意する必要があり、ユーザーにとって面倒になっている理由も書きました。これらの傾向はしばらく続くように思いますので、電気製品を購入される際の参考になればと思います。