前回は、電気製品の最近の事情について、部品構成編を書きました。今回は、違う内容について書いていきます。
〇部品購入編
前回の部品構成編で、電気製品は多くの企業や国からから供給される部品から構成されていることを書きました。ということは、これらの部品で構成される電気製品を製造するには、あちこちからこれらの部品を購入してきて、自社か委託先の工場に運んでくる必要があります。これらの部品を、電気製品製造のために潤沢にあらかじめ用意しておけば、製造が途切れることもないのですが、なかなかそういう訳にもいきません。というのも、電気製品が作れば作るだけ売れるわけではなく、人気が出なければ全く売れないこともあります。また、安定的に売れるとしても、部品はぎりぎりまで買わずにお金を手元に残しておく方が、自企業にとっては色々な意味で有利です。これらのことから、電気製品を製造する企業では、実際に製品製造に必要な時期が来るまでは、部品をぎりぎりまで買わない方が、企業経営には有利です。それゆえ、もし電気製品が急に人気が出たとしても、全ての部品を満足に揃えることが出来る可能性が低いため、製造できる個数には限りがあります。これが、電気製品に人気が出た場合に、すぐに店頭から姿を消してしまう理由です。
〇コピーしやすい
以前の電気製品は、各社がそれぞれ独自の方式で設計し、独自の部品を使って製造していました。その設計内容が明かされることはほとんどなく、部品自体が各社独自だったので、真似もなかなかしにくいのが実態でした。ところが、最近はインターネットの普及などで設計方法が共有されたり、物流網などの整備により、誰でもが色々なところがら部品を購入しやすくなりました。従って、誰かが製造した電気製品について、すぐに似たようなものを他の人が製造しやすくなったわけです。これが、似たような電気製品がすぐにコピーされて出回る理由です。特に、コピーが簡単な故に、それを改良した製品も出回りやすくなりました。ある電気製品が出てから、それを上回る機能、あるいは多くの機能が付加された製品がすぐに出てくるのはこういう理由によります。部品メーカーも、単独の電気メーカーにだけ部品を供給しても利益は少ないですから、多くの電気製品メーカーに部品を供給したくなります。こういった背景からも、電気製品のコピー、しかもアップグレードされたコピーが増えるわけです。
今回は、数多い部品購入の難しさから電気製品の製造量を急に増やすことが難しいこと、そして、それにもかかわらず、電気製品をコピーして同様の製品が作りやすいことを書きました。次回に続きます。