スマートフォンなどに代表される電気製品・デジタル製品。老若男女問わず多くの人に使われ、いまや我々の生活には無くてはならない存在になっています。多くの種類の製品が次から次へと供給される一方、人気の商品はなかなか手に入らなかったりしますし、製品の新陳代謝がはげしく、少し油断すれば欲しかった製品がすぐに旧製品となってしまい、もう手に入らなくなったりします。また、電気製品を使おうにも、色々なところにユーザー登録をしたり、クレジットカードの登録をしないと、全ての機能を使えなくなっています。一体、何がおこっているのでしょうか。今回は、このような電気製品の最近の事情について書いていきます。
〇部品構成編
スマートフォンやタブレットやパソコンなどは、多くの部品で出来ています。画面を表示する液晶パネル、スイッチ、電波を送受信するアンテナ、膨大な情報を処理するCPU、ボディ、などなど、数百を軽く超える部品で構成されています。これらの部品は、単独の企業や国で作られていることは非常にまれであり、中国、日本、マレーシア、タイ、台湾、アメリカ、ヨーロッパなど、多くの国で生産されています。本来は、近くの地域で作られているものを集めた方が便利なのですが、なかなかそうはなっていません。その理由は、高性能な電気製品を製造するには多くの高性能な部品が必要になってくるのですが、その部品を作れる能力のある人や企業が、あちこちにあるからです。企業や国によって得意分野が異なってきますし、例えば、鉱物や原材料は、種類によって採掘できる国が限られている場合も多いです。また、どこの国で作れる部品であっても、安く作れる企業や国から買った方が利益が増えるので有利です。したがって、ベストを求めていくと、自然と世界中から部品を集めるようになってきます。このように世界中からベストな部品を集めてきて作るわけですから、以前よりも優秀な製品を作ることが可能になるわけですが、一方、多くの優秀な部品全てが、いつまでも安定して供給されるわけではありません。簡単な部品であれば置き換えることもできますが、特殊な部品ですと置き換えるものが無い場合もあります。そうなると、その電気製品の製造はあきらめて、新製品を設計して製造するしかありません。ですから、最近の電気製品は、製造期間があまり長くならず、すぐに代替わりをすることになります。製品の新陳代謝が早い理由です。
以上、最近の電気製品の部品構成事情について記載しました。次回以降も電気製品の最近の事情について、違う観点から書きます。