これまでの記事で、B2B(Business-to-businessの略で企業間取引のこと)とB2C(Business-to-consumerの略で企業対消費者間取引のこと)の違いを書いてきました。前回は、ビジネスにおける顧客の判断基準について書きました。今回もその続きで、違う項目について比較しするとともに、これまでの記事をまとめます。
〇ビジネスにおける企業の信頼
B2Bビジネスの方が、企業の信頼を必要とされるでしょう。もちろん、B2Bビジネスでも信頼は必要です。しかし、ビジネスを始める際に、企業間取引では多くのことを検討、調査してから開始しますので、その分チェックが多く入ります。一方、消費者が製品やサービスを購入する際は、企業の知名度や口コミなどで判断することが殆んどです。また、多少信頼性が低くても、感動が得られたり満足感が得られるのであれば、良しとする場合もあるでしょう。これらの観点から、一般的にはB2Bビジネスの方がB2Cビジネスの方よろいも信頼が必要とされます。
〇ビジネスのペース
マイペースでビジネスができるのは、B2Cになります。B2Bビジネスでは、企業活動がストップするとそれだけ機会損失が起きますから、需要側としては常に必要とする分を必要なだけ供給するように要求します。ですから、供給側の業務は需要側に要求されるペースで行われることが多くなります。一方、B2Cビジネスでは、消費者と契約をしていない限りは、必ずしも製品やサービスを供給し続けないといけないわけではありません。自分の都合で中止したり延期したりできます。こういった意味から、B2CビジネスよりB2Bビジネスの方が厳しいと言えるでしょう。
〇ビジネスにおける製品やサービスの完成度
企業の信頼とは異なり、製品やサービスの完成度については、こと同じ品物であれば、B2Cの方が完成度を要求されます。例えば、液晶テレビを購入した場合、企業では、画面にドット欠けがあってもあまり気にしないことが多いです。自分の物ではないという考えと、多少ドット欠けがあっても実用上問題なければ良しとします。一方、一般の消費者は自分の持物に欠陥があればとても気になるものです。家でくつろいでテレビをみたり、映画を鑑賞する際に、ドット欠けがあると、気になって仕方ありません。以上のように、製品やサービスの完成度については、こと同じ品物であれば、B2Cの方が完成度を要求されます。
以上、全8回に渡って、B2BビジネスとB2Cビジネスの比較をしました。B2BビジネスとB2Cビジネスは大きな違いがありますから、例えば、営業や技術といった同じ職種でっても、要求される事項や業務内容は大きく変わる場合があります。時には、同じ職種でもあまりにも違いすぎるので、B2BからB2C、またはB2CからB2Bに転職しても容易に通用しない場合があります。ですから、就職や転職するときは、このあたりを十分理解して、企業を選ぶようにしましょう。