B2BとB2C(BtoBとBtoC)⑥/8

これまでの記事で、B2B(Business-to-businessの略で企業間取引のこと)とB2C(Business-to-consumerの略で企業対消費者間取引のこと)の違いを書いてきました。前回は、ビジネスにおける価格について書きました。今回もその続きで、違う項目について比較します。

〇ビジネスにおける顧客獲得の方法
ビジネスにおいて、顧客を獲得することは重要な仕事です。顧客が無ければ取引そのものが実現しません。では、B2BとB2Cのそれぞれについて、顧客の獲得方法はどのような違いがあるのでしょうか。また、それが業務にどのような違いをもたらすのでしょうか。
①B2Cにおいては、主な顧客獲得方法は、不特定多数に広告を行い、広告を見た消費者、あるいは店頭で興味を持った消費者を顧客として獲得していくことになります。ですから、テレビやネットにおける広告、新聞や雑誌による広告、店頭での陳列・宣伝方法が大きな顧客獲得の方法になります。不特定多数の人に対して、自社製品やサービスをいかに分かりやすくて魅力的である宣伝をするのか、また、新製品や新サービスであれば、それらを購入することにより、どのような利益や感動が新しく生まれるのかをいかに上手に訴求するかがポイントになります。不特定多数の方への広告は費用もかかりますので、新しい企業などでは初期投資が大きくなります。さらに、最近はテレビだけではなく、ネットでの広告の重要性が高まってきましたし、企業が直接打つ広告ではなくて、消費者の口コミ、あるいは有名人のコメントなどが大きな影響を持つようになってきました。このように、広告環境が目まぐるしく変化しているため、B2Cの顧客獲得方法は変動が激しく複雑化しているのが実態でしょう。
②B2Bにおいては、主な顧客獲得方法は、相手先企業に訪問して営業活動することが中心になります。企業相手の商売をするわけですから、ある程度ターゲットとする企業を想定して製品やサービスの開発をしています。また、製品やサービスが完成してから顧客を獲得するのではなく、開発段階で顧客になるだろう企業のニーズを調査することも多いので、対面での営業活動が重要になります。更に、開発費用が莫大になる場合、需要側企業からその一部を負担してもらうこともしばしばあります。これによって、自社の初期開発投資をおさえることも可能になります。営業職を目指している方、人付き合いが好きな方は、B2Bビジネスの方が向いているかもしれません。昔ながらの交渉などもあるでしょうし、取引が成立した場合の金額も大きくなる可能性があります。

今回は、ビジネスにおける顧客獲得方法について書きました。次回に続きます。