これまでの記事で、B2B(Business-to-businessの略で企業間取引のこと)とB2C(Business-to-consumerの略で企業対消費者間取引のこと)の違いを書いてきました。前回は、ビジネスにおける知名度と、ビジネスにおける新製品や新サービスについて書きました。今回もその続きで、違う項目について比較します。
〇ビジネスにおける価格
製品やサービスの価格は、B2Bが高価でB2Cが安価である傾向があります。
①B2C製品やサービスは消費者が価格を判断します。最近は、インターネット、データベース、AIなどで情報が整備・共有されるようになってきたため、同機能の製品やサービスは瞬く間に価格競争にさらされることになります。また、生活必需品でない限りは、消費者の財布には一定の限度がありますから、その財布の中で選択される必要があります。例えば、引っ越しをするでもない限りは、テレビとパソコンとスマートフォンを同時期に買い替えるといったことはあまり起こりません。このように、競争相手が同業他社ばかりではなく、財布の中でのポジションの取り合いになるので大変です。
②一方、B2B製品やサービスの場合、多くの企業が供給側として参入していないことも多く、その場合はあまり価格競争にさらされません。また、B2Bの場合は顧客向けに製品やサービスのカスタマイズを行うこともしばしばありますが、それによって価格を上げることも可能です。また、契約によって色々なことを供給側が保証させられる反面、それに応じた価格を設定することも可能になるわけです。また、ある程度大きな企業であれば、価格が多少高いとしても、会社の収支に影響しますが個人の財布に影響する訳ではありません。こういった点から、B2Bにおける製品やサービスの価格は、B2Cのそれよりも高く設定されることがしばしばあります。同じパソコンであっても、法人向けと消費者向けでは価格が大きく異なることもよく目にします。
③このように、同じ製品やサービスであっても、個人向けよりも企業向けの方が高い価格が設定できることが多くあるため、企業によってはB2CよりもB2Bに力を入れようとするところをしばしば目にします。また、消費者が製品やサービスを一つだけ購入することに対し、企業では一度に複数購入することがあるため、合わせて一定の売上や利益が計算できるからでしょう。さらに、一度購入した製品は、企業では資産として長く活用していかねばなりません。そうなると、補修品やサービスも長く供給することになりますから、これも売り上げを計算することができます。こういったことから、B2C企業の中でも、B2Bに力を入れようとする企業が出てきます。
今回は、ビジネスにおける価格について書きました。次回に続きます。