B2BとB2C(BtoBとBtoC)③/8

これまでの記事で、B2B(Business-to-businessの略で企業間取引のこと)とB2C(Business-to-consumerの略で企業対消費者間取引のこと)の違いを書いてきました。前回は、ビジネスのスピードとビジネスの大きさについて書きました。今回もその続きで、違う項目について比較します。

〇ビジネスの長さ
これは、場合によって違います。
①一概には言えませんが、商品を売り切って終わり、というのでしたらB2Bの方が長いのではないでしょうか。B2Cですと、企業がもうその商品を販売するのを止めようと思えば、大体の場合はその時点で止めることが可能です。売り切れ・生産中止と銘打てば理解されることも多いでしょう。しかしながら、B2B商売ですと、主に、取引先の都合によってどこまで商売続けるかが決まるわけですから、供給側の意思だけで決まるわけではありません。逆に、需要側が商売を止めたいと思っても、供給側との契約で続けることを義務付けていれば簡単に止めることはできません。
②一方、売り切りで終わりの商品ではなく、補修品、交換部品、メンテナンスが必要なビジネスだとどうでしょうか。これは、B2Cの方が長いでしょう。それは、一度購入した消費者に対して、サービスを続ける義務があるからです。途中でビジネスを投げ出してしまうと、このご時世では社会的な問題になりかねませんし、別のビジネスを始めようとしても前例が有るので消費者からは受け入れられにくいでしょう。このような情報は、昨今はネットですぐに出回りますし、社名を変えても経営者が変わらなければ消費者にはわかってしまいます。それにくらべ、B2Bのビジネスですと、例えば、供給側が需要側に対して、生涯必要相当の補修品や交換部品をまとめて納入してしまうことで、供給側としてはビジネスにいったん区切りをつけることも可能です。
③上記の①②は、商品の特性の違いに着目して記載しました。ところで、一般的に、企業相手と消費者相手でビジネスをする場合、企業は利益を得るために大きなビジネスを長く安定して続けたいという傾向があり、一方、昨今の消費者は新しいもの珍しいもの人と違うものを望む傾向にあります。つまり、企業は継続性を、消費者は新規性を望む傾向にあります。ですから、おおきな観点で言うと、B2Bのビジネスは長い傾向に、B2Cのビジネスは短い傾向にあると考えた方が良いでしょう。ただ、先に述べた例のように、長いから良いという訳ではありません。利益の出る商品やサービスが継続して取引されるならばビジネスは長く続いた方が良いですが、利益が出なかったり新しいビジネスを行いたいのに、止められないというのはあまり良くありません。ビジネスを選ぶときは慎重に考えましょう。

今回は、ビジネスの長さについて書きました。次回に続きます。