前回の記事で、B2BとはBusiness-to-businessの略で企業間取引のこと、B2CとはBusiness-to-consumerの略で、企業対消費者間取引のことであると書きました。今回から、その違いを検討してきます。
〇ビジネスの大きさ
ビジネスの大きさについては、一般にB2Bの方が大きいと言われています。B2Cでは、消費者に対して完成した商品を販売するため、消費者の商品に対するニーズ、購買力、などに差がありますし、企業にとっても幅広く供給する能力・販路が必要になります。。ですから、自動車、スマートフォンといったように、多くの消費者が必要とし、企業がそれに適う大きい供給力が無ければビジネスは大きくなりません。一方、B2Bでは、多くの最終製品に必要とされる材料を製作すれば、多くの最終製品に使用される可能性があります。顧客は、消費者ではなくて企業ですから販路も限定的です。例えば、スイッチや液晶パネルなどといった材料は、多くの最終製品に用いられるために、製造力さえあれば多く供給することが可能になります。製造も、最終製品ではなく原材料に近い方が共通的な材料を多く供給することができます。これらが、B2Bの方がビジネスが大きくなる可能性が高いと言われる理由です。
〇ビジネスのスピード
ビジネスのスピードで行くと、圧倒的にB2Cの方が早いです。ビジネスのスピードとは、つまりは、取引のための意思決定の早さになります。B2Cの場合、消費者が店頭に来たり、ネットで検索して、欲しければその場で取引が成立します。ところが、B2Bすなわち企業対企業の取引ではそうもいきません。一度取引が始まると大きな額になりますし、始まった取引は簡単に変えれれません。例えば、スマートフォンメーカーが、ある材料メーカーの通信部品を使って新製品を開発した場合、その通信部品に問題があったり供給が止まったりすると新製品を製造販売できなくなります。そうなると、経営に大きな痛手を負いますし、場合のよっては倒産することになりかねません。ですから、取引を開始するには慎重になります。事前に色々な調査や検討を行い、取引にあたっては契約書を結んで開始するのが一般的です。そうなると、企業間で多くの職種・関係者が登場し、色々な打ち合わせや調整や交渉を行い、契約に関する様々なやり取りがあって、初めて取引が開始できることになります。はじめて企業間で取引を開始するのであれば、1年かかることも珍しくありません。このように、ビジネスのスピードという意味では、圧倒的にB2Cに軍配が上がります。
次回に続きます。