就職する時、転職する時、同じ会社の中で部署を変わる時、職種や業務内容を色々と検討するのはもちろんですが、それと同様なくらい重要なこととして、ビジネスにおける取引で誰と誰が商売をしていて、自分はその中でどこに位置しているのかに注意する必要があります。職種や業務内容は、誰と誰が取引しているかによって大きく変わるからです。そこで、今回は誰と誰が商売をするかによって、業務内容にどのような変化を及ぼすかを考えていきます。
誰と誰が取り引きをするのか、この代表例が、B2BとB2Cになります。
〇B2B=Business-to-businessの略で、企業間取引と呼ばれています。製造業者と製造業者、製造業者と小売業者など、企業間で行う取引のことです。例えば、パソコンの場合、キーボードメーカーがパソコンメーカーにキーボードを納入する場合、パソコンメーカーがキーボードを組み込んだパソコンを家電量販店に卸す場合などは、すべてB2B取引と言えます。
〇B2C=Business-to-consumerの略で、企業対消費者間取引と呼ばれています。製造業者や卸売業者から仕入れた商品を消費者に売る場合などです。家電量販店がパソコンを消費者に売る場合は、B2C取引と言えます。
ただし、製造業だけに限ると、卸売業者や小売業者を除き、製造業者からまだ次の製造業者に売られる場合は前者をB2B製造業者と呼び、製造業者からもう次の製造業者を経ずに消費者に行く場合は、B2C製造業者と呼びます。例えば、キーボードメーカー→物流業者→パソコンメーカー→家電量販店→消費者、という経路の場合、パソコンメーカーが卸す取引相手は家電量販店ですからB2B取引となりますが、製造者としては自分が製造したものがそのまま消費者の手に渡りますからB2C製造業者になります。このように、B2BかB2Cであるかは、ビジネスの相手だけではなく、製品そのものが消費者に直結するかなど色々な観点で用いられますので、注意しましょう。
この、B2BとB2Cの2つが誰と誰が取引するかの代表例となります。この対比が、ビジネスにおいてしばしば用いられますので、覚えておきましょう。一方、これ以外にも、B2B2C(Business-toーbusiness-to-consumer)やO2O(Online-to-offline)など、色々な取引略称が生まれてきています。ネット取引などに代表される新しい取引形態のことを示していますので分類の観点が違ってきます。
というわけで、ここでは、B2BとB2Cの違いを考えて行くことにします。次回以降の記事で詳しく述べます。