最近、特に海外で人気のオニツカタイガーのシューズを試してみたのでレビューします。結論から言うととても気に入っており、今や休日に出かける時は、ほぼこれを履いています。
オニツカタイガーは、アシックスが社名・商標を変更する以前のブランドです。ここで、アシックスの歴史を振り返ってみます。1949年(昭和24年)、鬼塚喜八郎が神戸で鬼塚商会を興し、バスケットシューズの製造販売を始めました。1953年にマラソンシューズの開発に成功、1956年にオニツカタイガーがメルボルンオリンピック日本選手団用のトレーニングシューズとして正式採用され、知名度が高まります。また、1976年のモントリオール・オリンピックで、5000m、10000mで金メダルを獲得したフィンランド代表のラッセ・ビレン選手が脱いだシューズを両手に掲げてウイニングランを行ったことで、世界でも多く知られるようになりました。なお、1977年に他社と合併してスポーツ用品総合メーカーとなり、社名をアシックスに変更しました。このことにより、オニツカタイガーブランドは封印されることになります。
しかし、2002年、レトロブームとファンの要望により復刻され、2003年の映画「キル・ビル」では主演のユマ・サーマンが着用したことで話題を呼び、ブームに拍車をかけました。現在でも、ヨーロッパを中心にブームは続いており、東南アジアにもブームは広がっています。オニツカタイガーは、量販店やディスカウントショップにはあまり流通されておらず、ブランド価値を保っています。日本のオニツカタイガーショップやオニツカタイガー取り扱い店では、日本人はもちろん外国の方のお客様を多く見かけます。
オニツカタイガーのデザインは、当時の機能を優先したものであり、細身、薄いソール、軽量、シンプルとなっています。昨今の、クッション、デザイン、履き心地をてんこ盛りにした各ブランドのシューズとは一線を画します。
今回、私が試したのは、「MEXICO 66(メキシコ 66)」と呼ばれるモデルです。アッパー:天然皮革、アウターソール:ゴム底(ラバー)、インナーソール:固定式、税込み価格12960円となっています。薄底・細身に代表されるオニツカタイガーのスタンダードモデルであり、1962年のトレーニングシューズのデザインをベースに、オニツカタイガーストライプが初めて搭載された1966年モデルのデザインがプラスされています。ヒールフラップがついており、オニツカタイガーのブランド名が記載されています。
履き心地は、裸足に近く地面を感じることが出来る印象です。最近のシューズはクッション性を重視しているのであまり衝撃が伝わってきませんが、本シューズは、そういった意味では、かかとやひざに衝撃が伝わってきます。しかし、軽くてフィット感が良いので、家の中で歩いているような気軽さがあります。そういった意味で言うと、少し近所に出かける、あるいは、旅行や遠出するけれども、乗り物での移動が殆んどで、歩く距離があまりない場合に特に適していると思います。また、私に使用中に、雨に降られたり、濡れた砂浜を歩く場面がありましたが、中に水が染み込んでくることはなく、とても快適に過ごせました。
というわけで、気軽に疲れずに履けるシューズとして、おススメします。