東京と大阪④(サービス注文編)

東京と大阪の比較シリーズ、今回はサービス注文編です。サービス注文というのは、例えば、理美容室、マッサージなど、モノではなくてサービスの商売において、客として注文する場合のことを言います。客として注文する場合に東京と大阪では、どのような注意が必要かということです。

女性ならいざ知らず、男性の場合は、例えば髪形などについてはあまり気にしていないことが多いです。ですから、髪が伸びて理美容室に行く場合、とくに流行りの1000円カットに行く場合は、まぁ、それなりに短くなって入れば良いことも多いです。ところが、東京でカットする場合は、ある程度要望をはっきり言う必要があるようです。バリカンは何cmのものにするか、頭の上は何cmほどカットするか、そして、もみあげはどのようなカットをするかです。このように要求をはっきり聞いて、その通りにするのがサービス業であるという傾向があります。ですから、「適当に短く切っておいてください」「夏なのでサッパリしておいてください」みたいな注文を店員にすると、びっくりされたり、非難するような目で見られたりする場合があります。

逆に、大阪で注文する場合は、もちろん、具体的に細かい注文も出来ますが、先ほどのような適当な/抽象的な注文でも受け入れてくれることが多いです。このような適当な/抽象的な注文をするということは、基本的にはお店の人に任せます、結果がどうあれ文句は言いません、お約束のように最後に「良いですね、この髪型!」ということにほぼ決まっています。ある意味、パターンになっていると思います。このように、客の性格や注文に合わせて対応する度量を大阪の店員は持っています。このように、大阪の方がリラックスしてサービスを受けることが出来ると思います。

なお、上記は客の立場として書きましたが、逆に店員側も注意する必要があります。たまに、大阪で見かけるのですが、東京から大阪の理美容室に来た店員が、大阪の客と揉めていることがあります。大阪の客がはっきり注文しない、曖昧な注文をしたりすると、店員が「それではカットできません「いったい何センチですか」「そこまで切って本当に良いんですか?おかしくなりますよ?」みたいな口調で対応していることがあります。大阪では、店員は客がサービスするべきものと思い込んでいるところがありますので、このような言い方をされると喧嘩を売られていると思ってしまう場合もあります。ですから、東京から来られたサービス業の店員さんはトラブルにならないように注意された方が良いと思います。

サービス業についても、東京と大阪に差がありますので、文化や暗黙のルールなどを把握して上手に生活していきましょう。