東京と大阪③(職場)

東京と大阪の比較シリーズ、今回は職場編です。東京から大阪に行ったとき、大阪から東京に行ったとき、どのような心構えで行けばよいのかを書きます。これまでの比較シリーズでも書きましたが、東京ではルールを守るけれども、それ以外は合わせようとしない傾向にあります。かたや、大阪はルール無視で、自分たちがより良くなるように工夫してやろうよということ傾向があります。これは、職場でも表れています。

東京の新しい職場に赴任した場合、もともと職場に居たメンバーは「この人はこういう役割で来ているんだから、こういう風に接するべきだ」というように考えます。上司なら上司、同様なら同僚、部下なら部下、というように接します。ですから、最初から一定レベルの人間関係で仕事をスタートすることが出来ます。これにより、初めて赴任した職場で、良い仕事のスタートを切ることができます。基本的に皆がルールを守ろうとするからです。

一方、大阪の新しい職場に行った場合、大阪の職場のメンバーは「この人って何が出来て、私たちに何の役に立つんだろう?」と懐疑的な気持ちで見られることで始まります。ですから、例え上司として赴任してきた人に対しても「どうせあなたはすぐには役立ちませんよね、しばらくおとなしくしておいてください」ということになりかねません。ルールは関係なく、役に立つかどうかを考えます。上司として赴任しても、一定の力を示すまでは相手にされない可能性があるわけで、新しい仕事のスタートを切るには場合によってはかなり厳しい状況になってしまいます。

ところが、慣れてくると状況は変わってきます。東京ではルールを重視するので、決められた役割以上のことをすることはなかなかありません。ですから、新しい仕事をしたり、枠組みを変えたりする場合は、簡単にはいきません。それぞれ各人の役割を再定義し、それぞれの各人のインターフェースを細かく定義するなどの準備を色々とする必要があります。というわけで煩わしいことも多いですが、準備がきっちりできてルールが出来上がるとすんなりと従うので、準備する甲斐があります。

大阪は、より良くするためには工夫してやろうよ、という傾向がありますので、軽い工夫や改革は結構速く進みます。また、あまり面倒見なくても、それぞれ各人の役割を自分たちで再定義します。ですが。難しい改革になったりすると、本当にそれが良くなるのかどうかが分かりにくくなるので、動きが止まったりします。ですから、その改革ではどういう効果があり、それを成功させるにはこういうステップでやればよく、だから皆がハッピーになる、みたいなことを説く必要があります。本当に良くなることを、実現できるステップを示すことで、ようやく全体が動いていきます。

いかがでしょうか?そのように感じませんか?

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